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古森重隆の名言146件

すべてを間違えないという覚悟で日々の決断を下してきた
経営者が短期間で成果を上げるのは株主に対する責任です。同時に会社は存続させていかなければならない。収益の拡大と持続性という2つを両天秤にかけながらバランスを考える。これこそが「賢い経営」ではないでしょうか。
人類がここまで進歩したのは、競争の存在が大きいと考えている。競争で優勝劣敗が決まり、栄枯盛衰が決する。厳しい生存競争という自然界の原理原則――。それゆえに人類は知恵を絞り、創意工夫を巡らせ、向上・発展に努めてきた。それは企業も同じだ。
私が入社した1963年、米イーストマン・コダックは仰ぎ見る存在だった。売上高は17倍、カラーフィルムや印刷製版フィルムもコダックの方が性能は上。感光材料の主原料となるゼラチンや銀を取るために、牧場や銀鉱山を持っていたほどで、こんな会社に勝てるのかと正直思った。だが、富士フィルムは諦めずに技術を磨き続けた。最終的にコダックを追い抜いたと思ったのは、76年に「ISO感度400」という高感度カラーネガフィルムを発売した時である。コダックを上回る技術力を手にできたのは、生き延びるための激烈な競争の結果だ。
勉強やスポーツが苦手でも、笑わせることが得意であれば人気者になれるかもしれない。ケンカが弱くても歌や絵が上手であれば、別の世界で勝負できるかもしれない。何が得意かは、競争があって初めて見える。「自分探し」という腑抜けた言葉が広がっているのは、競争や戦いが身の回りにないからだ。
教育現場には悪しき平等主義がはびこっている。皆で仲良くというぬるま湯の世界は真の優しさではない。子供達から競争を排除して、いずれ訪れる世界との熾烈な競争で勝ち残っていけるとでも思っているのか。
勝負の舞台から降りることは自由だが、降りたところで競争がなくなるわけではない。国や会社、チームや組織、そして自分自身や愛する家族、友人を守るために、戦わなければならない場面は確実に訪れる。そのときに尻尾を巻いて逃げ出すのか。
日本企業にはホワイトカラーが多すぎるように思います。SGA(販売費及び一般管理費の売上に対する比率)が米国企業と比べて5~10ポイント高い。つまり間接スタッフが多いということですね。彼らの生産性を高めるか、あるいは人を減らすしかないのです。
私は入社当時、経営企画部に配属されました。その部署では写真技術をほかの産業用途に適用できないかを調べるのが仕事でした。うちは当時(1960年代)から多角化の可能性を探っていたのです。
2000年代に多角化に成功したベースについて語った言葉
本当はコア商品を持っていた方が強いのです。トヨタ自動車が良い例です。何かひとつでも大きな売り上げを確保して世界的な強さを持てるなら、それがいい。うちも、写真というコア商品を維持できれば、その方が絶対よかったのです。多様性はひとつの保険なんです。当社はいろいろやらなければならなかったというだけです。
社長の任期に関してとくに不文律があるというわけではなく、結果として長くなっただけです。ただ、長期的な展望に立てて、目の前の利益より研究開発への投資を優先できたというメリットはあります。
富士フィルムが創業以来78年間で7人しか社長がいないことについて語った言葉
誰だって、改革は嫌ですよ。企業の場合リストラしたり、長年付き合った取引先を切ったりしなければならないことだってあるでしょう。でも会社が潰れたら、元も子もない。そのためにダイナミックに改革しなきゃいけない。この改革のダイナミズムを理解、実感できるかどうかでリーダーの良し悪しが決まります。
ナンバーツーの後ろには大将が控えています。ナンバーツーの仕事が竹刀による剣道なら、経営トップは真剣による斬り合いです。でも最終的な責任者が負ければ、会社もろとも決定的なダメージを受けます。だから大将、すなわちCEO(最高経営責任者)の役割は絶対に負けないようにすることなんです。
社長業は生半可な気持ちの人は引き受けない方がいい。これは人生最後の通信簿になる、全うできなければ私の人生にペケがつくくらいの覚悟がなければ、会社は生き延びないんです。
社長就任後、2年ほどかけて技術部門のトップ数人と技術の棚卸しをやりました。当社が持っている技術のうち競争力のあるシーズ(種)は何か、それをどんな市場や商品に応用すべきなのかを洗い出しました。その中から医薬や化粧品といった考えが生まれました。
経営とは、最後は数字です。自分たちが生き延びていくためには競争力のない事業を減らして、埋め合わせられる部分をつくりだす。そんなソロバン勘定が必要になってきます。僕も必死に考えました。
外国に技術が流失しないように気を付けることは大切です。それ以上に、技術面のポテンシャルやノウハウを自社の競争力に変えていかなければなりません。
一流の人材は育てようとしても育てられるものではありません。自分で伸びてもらうしかない。仕組みとしてできることは、仕事のパフォーマンスに対する評価をきっちりフィードバックすることだと思います。
厳しい経済環境の中、経営努力をしていかないと、会社の経営を安定した成長軌道に乗せることはできません。
最も必要なことは、何が組織にとってのプライオリティ(優先順位)かをハッキリさせることです。我々の場合、全利益の3分の2を稼いでいた写真フィルム事業が2000年にピークを迎え、そこからデジタルカメラの普及が急速に進んでフィルムカメラが激減。会社にとってのコア事業が崩れ始めたわけです。このような環境変化を迎え、どうやって会社を生き延びさせるか。生き延びるとは我々にとって生まれ変わること。会社を再生することです。一流企業として存在し続けるには何をすべきなのか。これこそが、当時の富士フィルムにとってのプライオリティでした。
改革するためのリーダーシップには定石があります。たとえば、戦争で戦局を左右するような大きな戦いに遭遇したときに何をすべきか。まず、自軍が置かれている状況を味方に伝えなくてはいけません。「敵の大軍に囲まれ、補給路を断たれてしまった」と。つまり、会社が置かれている状況を、社員みんなに正しくわからせるのです。そして、何をしなければいけないか、状況を分析します。メーカーの場合、技術が一番大事な経営資源です。どの分野だったら我々の経営資源を最も生かすことができ、競争力のある商品を出せるのか。社内はもちろん、外部の市場の状況も分析し、どの方向に行くべきか構想を立てます。その実施計画を社員に説明したうえで、リーダーである自分が真っ先に飛び出す。そうすれば、部下はついてきます。ついてこない社員がいたら、力ずくでも引っ張っていく。そこがリーダーシップです。
研究開発投資は、目先のことだけではなく中長期的なことを考えながら行う必要があります。世の中の技術が進歩している現在、ひとつの技術だけで完結することは少なくなっています。
米国では市場が経営者に短期的な成果を求めるため、長期的な研究開発投資をやりにくい。新しい産業が出てくれば、古い企業は潰れても仕方ないとの考え方もあります。しかし、日本の場合は違います。富士フィルムという会社が、写真フィルムの時代が終わったからといって、世の中からなくなっていいということにはなりません。中長期的な研究開発投資はすぐに成果に結びつかないため、短期的には経営効率は悪化します。しかし、長い目で見れば、そこで培われた技術が会社を救うこともあります。
技術力によって、オンリーワン、ナンバーワンの製品を時代に先駆けて開発していく。そんな企業であり続けなくてはいけません。写真フィルムというのは170年も続いている技術ですが、こんなに長く続く技術は、もう出てこないでしょう。ひとつの技術の生命、ライフサイクルは短くなっています。世の中も技術も大きく変わっていく中で、将来の基盤となる研究開発を続け、常に時代に合った技術をつくりだすことが大切です。
本を読み、あるいは経験して得た知識を血肉にしていく意識があれば、いつだって教養は深くなる。
価格競争から抜け出すには、独自性のある製品や高品質な製品を開発して差別化する以外にない。
うちの多角化と幅の深さが、彼ら(コダック)とは違ったと思います。コダックは極めて写真重視なカメラ屋で来たのに対し、うちは早くから多角化を経営の柱に据えてきました。やはり生産技術の差ですね。
コダックが時代の流れに乗り遅れたことについて語った言葉
東大のアメフト部時代に学んだ精神と、富士フィルムで会得した企業経営の精神と基本は同じでした。闘魂、スピード、戦略、チームワークの5つです。
私は旧満州の奉天で終戦を迎えました。戦争に負けるということがどんなことか、子供心にもわかりました。力がなければダメだ、国も力がなければダメだし、人間としても力がなければダメ。力といってもむき出しの暴力やそういう力ではなく、本当の実力、それがないと何にもできません。
第2次世界大戦で日本が惨めな敗北を喫したのは、局地戦での冷徹な総括を怠ったことに加え、情報戦に負けたことが大きい。ここで言う情報戦とは情報収集能力だけではなく、情報発信能力をも含めたものだ。
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