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篠原菊紀の名言40件

勉強のテクニックは身も蓋もないですが、とりあえず始めることです。やる気が出てくるのを待つのではなく、いますぐやる。脳科学的にいっても、それがベストな方法です。始めると脳の奥にある大脳基底核のひとつで、やる気に関連する線条体という部位が勝手に発火して動き出します。これを作業興奮といい、次第に勉強が快感に変わっていきます。
机の上を拭く、片付けをするといったちょっとした作業を勉強前に習慣化してみましょう。そうやって体を動かしていると、脳内のやる気の回路が動きやすくなります。
図書館には、志を持って勉強に励む人が多い。それを見ると、まるで自分も集中して学んでいるような脳の活動になり、やる気を持続させることができるのです。
勉強は3時間連続で学習するより、60分を3回に分けた方が効率がよく、記憶の定着もよくなります。
記憶を定着させるには、本番の試験までの日数を6で割ったタイミングで復習をするといいという実験があります。残り日数が60日なら60÷6で10日後、まだ心配なら50日÷6で8日後……と地道に繰り返すのが最善の策です。
学習とは、脳神経のつながりを密にしていく作業です。勉強しはじめはまだスカスカの状態でつながりが悪く、学習効率も低い。ところが次第に脳神経のつながりが密になり、理解度が飛躍的に上がっていきます。
仕事の場面では予定通りに進むことはあまりなく、リスケジュールするのが普通です。勉強も同じでしょう。あまり綿密で壮大な計画は立てず、勉強を始めてリスケジュールのときに精密化すればいいのです。
スケジュール通りの進行では、前頭葉は活発に働きません。リスケ(リスケジュール)を前提に柔軟な計画を組むことが、脳の上手な使い方です。
3日坊主を避けたいなら、自分が取り組んでいる勉強のことを、フェイスブックやツイッターなどに書き込むといいでしょう。「やったー、勉強、終わった」とか何でもいいのです。単なるつぶやきですが、本人にとっては自己開示することの快感があります。脳活動を見ても、線条体を含む報酬系の部分が活性化することが示されています。
意欲ややる気は、最初が最も高く、2度目、3度目となると徐々に減退していきます。飽きるのは当たり前なんです。それを防ぐには、誰かに褒めてもらう、励ましてもらうことがひとつの手です。SNSは手っ取り早くサポーターを見つける手段になるでしょう。
損害回避型はスロースターターだけれど、基本的には時間が経ってもやる気はそれほど低下しない。しかし、仕事に手を付けず溜めていると、やらなきゃいけないというストレスも溜めることになり、コルチゾールなどストレス物質の分泌が増します。ストレスのダメージを受けやすい人たちですから、やる気が低下し、ますます手が付かないという悪循環が生まれる。なので、さっさと始めるのが正解。
やるべきことのToDoリスト化、自分が抱えている不安・不満などをすべて紙に書き出しましょう。そうしないと、頭に残って、脳のメモリーが空いていない状態になるので、パフォーマンスが上がりません。
一つひとつ逐次的にやるほうが効率よさそうに見えるけれど、一つの仕事を20分間続けてやる場合と、10分ずつに分け、間に違うことをやる場合だと、仕事を分けた“間欠型”のほうがパフォーマンスが高まることは知られています。軽く終わらせられるものを分ける必要はありませんが、長いスパンで取り組むものは、同時進行で進めたほうが作業効率は上がりやすい。
一人一人を平等に扱うのは人としては正しいけれど、個体差があるので、部下が今、何に対してやる気がわくのかを、ちゃんと把握できているかどうかが重要。新奇性の強い部下には新しい仕事を与えて、スケジュールも短く設定して、さっさと仕上げさせる。損害回避傾向の強い部下には最初の段取りはつけて始めやすくしてやるとか、パフォーマンスが上がるように対応を変えることが大切です。
褒められると反応するのが線条体系。叱られたときに活動するのが扁桃体などの恐怖反応系。叱ると褒めるを比べると、叱るほうが効きます。ネガティブなほうが脳に約3倍残りやすい。ただし、副作用も大きい。管理をするうえで、部下を壊さないことは大前提なので、副作用を最低限に抑えることが優先されるので、バランスをとるためには一度叱ったら、その3倍くらい褒めないといけない。
素質を褒めると、その素質よりももっと上のものが要求される場面に直面すると、チャレンジを避ける傾向が出てきます。努力を褒めていくと、難しい問題にもチャレンジしたり、失敗しても果敢に挑戦し続けることができる。つまり、結果や成績につながる行動を見つけ出して褒めるのが上司の能力ともいえます。
サルを使った実験では、いつも必ず得られる報酬には慣れて、反応がなくなる。つまり報酬を与えられてもそんなにうれしくなくなってしまう。では、やる気を維持するためにはどうすればよいか。報酬は2回に1回くらいがいいということです。「あれ? 褒められない」という失意があったほうがドーパミン神経はきちんと反応し続ける。最初は立て続けに褒める必要がありますが、ある時点からは褒めたり褒めなかったりする。これは教育的効果ももたらして、ちょっと我慢する機会を与えると、セロトニン神経の活動が高まり、次の報酬をイライラせずに待てるようになる。
統計的に見ると計算問題をやらせると若い人は夕方のほうが成績はよく、年寄りは午前中のほうが成績がいい傾向があるので、年寄りの多い会社の役員会は朝がいいかもしれない(笑)。
曜日や時間帯で自分のやる気のピーク図のようなものを作ってみるといいでしょう。思い込んだ者勝ちなところがあって、毎週この曜日のこの時間帯は絶好調という思い込みがあったら、自分のゴールデンタイムとして使ったほうがいい。自己観察して行動するというのは大体うまくいくというか、失敗しても修正しやすい。ただ、同じ意味でこの曜日のこの時間帯は絶不調という思い込みはしないほうがいい。
集中力は眼球の動きと密接にかかわっているので、こんな運動をしてみましょう。
パソコンの中央を見つめる。
顔を動かさず眼球だけを動かしてモニターの四隅を右上、右下、左下、左上と時計回りに見つめ2周する。
次に時計回りに見つめて2周する。
終わったら「ふぅ~」と行きをする。 気が散って頭の切り替えが出来ないときに効果的です。
記憶力の向上はインプットとアウトプットを繰り返すしかない。キャバクラ嬢が何人もの客の顔と名前を覚えているのは、仕事のあとに名刺を整理し、相手に応じて内容を変えたメールを打ち、お誘いの電話をするというアウトプットの努力を日夜しているからです。
部下への指示は、「まずこれ、次にそれ、最後にあれ」と3つにすること。それ以上は「たくさん」としか認識されず、どれから手をつけるか悩んでしまいます。逆に確実にと思ってひとつだけ与えると、単純すぎて飽きてしまう。
「転」を省いて「起・承・結」の3つの展開で話をすると相手が理解しやすいのは、話が構造化されているので脳が処理しやすいからです。また、理詰めで話をすることも大事ですが、相手の脳の同じ領域ばかりを疲れさせてしまいます。ときには視覚や聴覚などの領域に訴える工夫も交ぜれば、強い印象を残すことができます。
ひらめきの多くは、思いついた後で「なるほど」「そうだったのか」と手を打ちたくなるような発想だ。そのような反応をするとき、頭の中には事前にだいたいの「見込み」「知っている感じ」が存在している。しかし見込みの段階で思いつかずに悩んでいたときと、ひらめいたあとでは、着眼点が変わってしまっている。
ひらめきは問題解決に有効とされているロジカルシンキング(論理思考)のような意識的な理詰めではなく、無意識領域の働きによって、神の啓示のごとくに政界や解決策がもたらされるものと考えられている。しかし、無意識領域から浮かんでくる思考の多くは無意味だったり、ときには反社会的だったりする妄想にすぎない。妄想とひらめきを分けるものは、現実世界とのつながりである。ひらめきは現実の問題を解決する発送であって、事実に基づくリアリティがあり、社会活動とつながりを有し、社会的に還元され得る。
人がひらめく際には、脳内活動ネットワークの組み換えが瞬間的に起こっているものと推測される。この組み換えは、異なる複数の情報をつなぎ合わせる俯瞰的な視点が不可欠になる。ひとつだけの視点にこだわるのではなく、複数に絡まり合う問題を客観的にとらえ、自分自身を含めた全体像を得ることが必要となる。
経験のない若い世代には、発想の転換を必要とした課題も、年齢とともに脳内ネットワークの構築が進み多角的なものの見方が身につくことで、自然と対処できるようになっていく。年齢を重ねることで、人を見る目や、危機を事前に察知するといった直観力が研ぎ澄まされてくる人は少なくない。それはある意味でひらめきの進化形だといえる。
人脈を利用することで、一人では得られなかった課題解決の手段を発見することは、いわば個人ではなく手段としてのひらめきを得ることだ。極端にいえば、他人の知恵をうまく借りる能力さえあればひらめきについて悩むことはないだろう。
一般に、歳をとると頭が固くなり、ひらめきも生まれなくなると思われているが、実際にはどうだろう。知的活動の中心といわれるニューロンは大脳の表面にある大脳新皮質に集まっており、加齢とともに数が減少していくが、その下の白質と呼ばれる神経繊維の束の層は、むしろ40代、50代で増加していく。白質はニューロン感を結ぶネットワークを形成しており、これから考えれば一つの問題を別の問題と結びつけて解決していくひらめきに関しては、能力が上がっていくとしてもおかしくはない。
筋肉と違い、何歳になっても脳は鍛えることができる。ただ、個人の能力にはおのずと限界がある。ひらめきを必要とするような難局に陥ったとき、それを乗り越える近道は、自分の能力ではなく、他人に共感できる能力にあるのかもしれない。
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篠原菊紀(しのはらきくのり -)は、長野県茅野市出身。長野県諏訪清陵高等学校、東京大学卒。同大学院修了。諏訪東京理科大学教授。脳科学、健康教育学が専門。蓼科高原集客拡大会議、茅野まちづくり研究会、遊べるパチンコ・パチスロ推進など、脳科学、健康教育学を地域活性化や社会的提言に生かす試みを続けている。TVなどで多チャンネル近赤外線分光法をつかって、様々な場面での脳活動を紹介している。
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