名言info

魚谷雅彦の名言64件

ブランド価値の向上には社会とのつながりが重要だ。そのために、広告はもちろん、接客、メディアの取材など、あらゆるコミュニケーションにおいて「近頃の資生堂は元気だ」と思ってもらえる活動を展開したい。
缶コーヒー「ジョージア」立て直しのため、有名男性タレントを立てて新CMの撮影に入ろうとした矢先、アクシデントが起きてすべて白紙に戻ってしまった。CM発表の日が迫る中、追い込まれたことでまったく違う発想が生まれた。当時有名ではなかった女性タレントを起用するアイデアだ。通常、3カ月はかかるところを制作会社と直接やり取りして3週間で仕上げ、大ヒットしたのが飯島直子さんのCMだった。
新卒のとき、大阪の営業現場に配属され、社内制度で留学したかった私は理想と現実の違いに大きな挫折感を味わった。そのときある方から「一年間、本気で仕事をしてみろ」とアドバイスされ、発奮して全力で仕事に取り組んだ。すると成績も上がり、仕事が面白くなった。本社もそれを評価して念願の留学につながった。この原体験を忘れず、資生堂でも社員全員が同じ目標に向かって、情熱をもってわくわく働ける「戦う集団」をつくりたい。
資生堂の問題は、あらゆる商品に資生堂ブランドを付けたことにある。化粧品だけを扱っている時代は企業とブランドが一緒でもよかったが、(シャンプーなどの)トイレタリーまで商品を広げる過程で、資生堂というブランドの価値が拡散してしまった。今後は、どのブランドに資生堂のロゴを付けて売るかを検討していく。
資生堂の国内のブランド戦略が抱える問題は、同じ顧客ターゲットに対して複数のブランドがあるということだ。モノや情報が溢れる中で、商品を買ってもらうためには、価値観、年齢、ライフスタイル、収入などに応じて、その人にぴったりはまるものが必要になる。こうした属性に合わせて顧客の対象セグメントを作り直し、それに合うような形でブランドを再配置していく。
国内事業立て直しのために、今後は組織から、商品パッケージなどの細かいことまで、すべて顧客視点で見直す。今の資生堂は、(同じトイレタリー商品を複数の組織で販売しているなど)組織がバラバラ。それが消費者にとって不便な要因になっているようであれば、これも変えていく必要があるだろう。包装などについても、対面でなくセルフで売る商品はもっとパッケージを分かりやすくしなくてはいけない。
お店でサンプルの提供やイベントをやりたいといった時に、時間がかかるという問題点は取引先からも聞いている。これは、資生堂の社内で役割を分割しているのが原因だろう。ブランドマネジャーが一気通貫でブランドを見てPL(損益計算書)まで責任を持つ制度を導入していく。
世界で戦っていくためには資金が必要。営業利益ベースで1000億円くらいは儲けられないと世界では生き残れない。
日本の高度成長期には、「こんなにいい商品ができた。こんなにすごい技術がある。だからお客さんは喜んで買ってっくれるに違いない」という発想でやってきて、実際それでモノがよく売れました。しかしいまはモノが飽和している、誰もがほとんどのモノをすでに持っている時代です。メーカーがいくら品質の高いものをつくっても、それだけで売れるという時代ではなくなりました。
確かに今の日本はモノを買うときの選択基準が価格だけになってきている面はあると思います。しかし、そういう時代だからこそ、値ごろ感が大切だと考えています。値ごろ感とはつまり、価格と価値の関係です。値ごろ感があるとは、これだけの価値があるものなら、この価格でも納得できるという意味です。反対にこの商品にはそれほど価値がないとお客様に思われてしまったら、価格を下げて売るしかありません。
自分の意見をプレゼンする能力に長けていると思っていた米国人でも、自分の能力をさらに高めようと学校に通いスキルを磨いていることに驚きました。彼らのコミュニケーション能力は幼少時に培われたわけではなく、社会人になってからも日々研鑽を続けているのです。
米国留学時、プレゼンテーションの専門学校に通ったときを振り返っての発言
日本企業の間で、英語を社内公用語にする動きが広がっています。グローバル企業になるうえで、言うまでもなく英語は重要なコミュニケーションツールであり、話せるに越したことはありません。ただ、英語はあくまで手段です。目的になってしまわないように気をつけなければいけません。
(米国のプレゼンテーション専門学校の)最後の授業で講師に言われた一言は、いまでも忘れません。「本当に効果的なコミュニケーションをするのに一番大事なことは、自分自身が情熱を持って生きているかどうかです」。大事なのは英語の流暢さではなく、自分自身の志があって初めて、周りの人を動かせることに気づかされました。
企業のリーダーが海外展開をするに際しても、必要なのは「グローバルなビジネスをやるんだ」という情熱を社員に伝えることです。10から20年後に我が社はこうなる、自分はこうコミット(確約)する、という夢や思いを発信し続けなければ人はついてきません。
トップに必要なのは「異論を受け入れるマインド」です。スタート時点で反対意見が多かった商品こそ、成功するケースが多いものです。人は誰しも、自分に近い意見を受け入れがちですが、反対の意見を言われたことに対して「違う視点を与えてもらえてよかった」と思える懐の深さが重要です。
単に英語を学ばせるだけでは、真に多様な組織にはなりません。日本人の強みは、どんな環境にも適応できる国民性です。異質な人材や意見を受け入れることで、企業の幅が広がるのではないでしょうか。
ユーモアは人の気持ちを動かすコミュニケーションツールだと思います。当社の行動規範を小冊子にして本社勤務の600から700人に配りました。ただ配るだけでは印象に残らないので、ボトル型の真っ赤なマウスパッドを人数分つくり、ある夜一斉に取り替えました。その横に、一人一人の名前を刻印した小冊子を置いたのです。翌朝はもう大騒ぎ。でも、それによって行動規範がより深く気持ちに入ったと思うのです。
ある外資系企業の日本法人に招かれ講演をした際、壇上でコカコーラを一気飲みしました。これだけでみんなが笑顔になり、笑い声が響きました。気持ちがオープンになり、スムーズに本題を吸収してくれました。実はその会社も、これからはマーケティングをしっかりやっていかなければいけないという課題を持っていました。だから僕のような広告プロモーションをいくつも考えている会社の人間を招いてくれたのです。
ドラッカーの『マネジメント』には、「企業に取って本質的に重要な機能は2つあり、イノベーションとマーケティングである」と書かれています。そのふたつが、価値を創造し、顧客を生み出すものだということです。日本の経営者はこれまで、イノベーションに軸足を置いてきましたが、これからはマーケティング発想のできる人材を育てていく必要があります。
一般に日本のビジネスマンは、技術力が高く「いいものをつくれば売れる」という発想が長く続いてきました。しかし、技術的優位による差別性のリードタイムがどんどん短くなっているうえに、技術力だけではモノが売れない時代になってきました。ですから、性能にプラスアルファして感性を磨かなくてはいけません。
日本は戦後、どの業界もみんな右肩上がりで成長してきました。右肩上がりの時期は、新規顧客をとることに集中すれば業績はどんどん伸びます。1億人の潜在顧客に対して、商品をどのように浸透させるか、マーケティング用語でいえばペネトレーション(浸透)の勝負です。しかし、決して100%の1億人が顧客にはならないのです。それ以上の数量的上積みができませんから、既存のお客様に再度買ってもらうことを考えなければなりません。
コカコーラの場合は自動販売機を新しい場所に置けばどんどん売れたという時代もありました。しかし、いまでは国内の自販機は250万台とも言われて飽和状態です。最近では、週1回コカ・コーラを飲むというお客様に、週1.5から2回に増やしてもらって売上を伸ばすという考え方に変化してきました。
新規顧客による純増で企業が伸びる時代は終わっています。既存のお客様の心の中にどれだけ深く入っていって、ブランドを愛してもらい、ロイヤリティを高めていただくことができるか。お客様がそのブランドを自分のブランドと感じて使い、人にも勧めてくれるような、そういうロイヤリティを高めるようなお客様を築く。企業の基盤とサステナビリティ(持続可能性)を高めていく時代なのではないでしょうか。
私は3年前からNTTドコモの特別顧問をしています。携帯電話も右肩上がりの時代が終わりました。地方の小さな町にもドコモショップをつくって、露出を増やして、売上を伸ばすというエクスポージャー(露出を増やす)戦略にも限界がきています。今後は契約台数の増減よりも、いかに携帯電話をもっと使ってもらうようにするかを考えなければなりません。
コカ・コーラは120年間、中身は一切変わらないまま、その時代の消費者にブランドを浸透させてきました。コカ・コーラのマーケティング力を説明するとき「intrinsic value(基本的な機能やスペックの価値)」と「extrinsic value(付帯的な情緒や感性の価値)」というふたつの言葉を使います。コカ・コーラは味や機能面では120年間変わっていません。それでも120年間グローバルスタンダードとして認識されてきたのは、どこの国であろうと、どの時代であろうと、共感してもらえるように、感性の価値を追求してきたからです。
講演などをするときにユーモアから入るのは、別に笑わせることが目的ではありません。ユーモアでみんなの気持ちがオープンになると、本題に入りやすくなるのです。
「部下に恵まれないなぁ」と思っている管理職がいたら、マーケティングの考え方を応用し、部下との関係を再考してみることをお勧めします。部下とのつながりをどうやって強めていくか、自分の求めているものと部下の求めているものをどうやって一致させていくか、ということです。
あるとき、ある部下が福岡でテスト販売されていた茶系飲料が宣伝もゼロなのに、良い動きをしていると報告してきました。それが、その後大ヒットとなった爽健美茶です。そこで僕はその部下ともう一人に「自販機の横に立ち、買ってくれたお客様になぜ買うのか、どのくらいの頻度で買うのかという二つの質問をしてきなさい」と3日間の福岡出張を命じました。その結果、「購買者はほとんど女性」「1日3回も飲む人、飲料商品はこれしか飲まない人もいた」「購入理由は、キレイになれそうだから」といったことが判明しました。私は大きな可能性を秘めた新商品だと確信しました。
マーケティングも部下教育も本質は同じです。主人公はあなたや会社ではなく、顧客や部下です。会社の場合、「個客に恵まれない」と愚痴る会社があったら、笑われるだけでしょう。部下に関しても同じです。
マーケティングを重視すると、企業と顧客の関係が様変わりします。一方的に企業が商品を売り込むプロモーションに代わり、顧客から企業への情報提供も含む双方向のコミュニケーションが非常に大切になるのです。
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