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吉永泰之の名言70件

当社に限らず、どの会社でも同じかもしれませんが、販売部門でも技術部門でも、社内の誰に聞いても、自社の弱みや欠点はいくらでも出てきます。ところが反対に強みは誰も答えられない。強みというのは、自分たちには当然のもので、普段は強みとして認識してないんですね。
ユーザーがそのまま答えを教えてくれるとは限りませんが、貴重なヒントは得られます。たとえばアウトバックは乗用車をベースに開発しているため、SUV(多目的スポーツ車)としては車両の全高が低いのが特徴の一つ。そのため米国のオーナーに聞くと、カヌーやサーフボードを屋根に載せやすいと言うのです。新モデルではそのアウトバックの特徴をさらに生かすため、荷物の上げ下ろしをしやすいように、足を置けるステップをドア開口部に取り付けました。
スバルでは、開発がほぼ終了してからも2~3カ月を足回りや乗り味のチューニングに費やしています。開発の効率化を進める業界の潮流の中にあって、ここまで突き詰めている会社はそれほどないでしょう。
当社は売れたら投資するというのが基本的な考え方で、需要を先取りする工場の新設はおろか、建屋の増設といった大型投資も、できる限り控えます。その代わりに、ボトルネックとなっているラインだけに集中的に手を入れることで、工場が持つ能力を最大限引き出そうとするのです。そうすることによって、投資の負担を抑え、余力を持つことなく生産能力を増やしてきました。
私は社内で同じメッセージを、しつこく言い続けるようにしています。何年たっても、それが本質的に正しければ変える必要はありません。世の中に対応して変えるべきことは変えますが、それで軸が揺らいではいけないのです。
これからの時代、丈夫で壊れないクルマを作っていれば売れるわけではありませんデザインでも機能でも、提案力が勝敗を決めるのです。自由闊達な風土の上でそれぞれの現場が創造性を発揮しなければ、会社は伸びません。
サラリーマン社会では、「あの人は本音をしゃべったら損をした」という話はすぐ広がります。ですから、会社のためを思って言うことなら、何をしゃべっても不利な扱いを受けないという事実を積み重ねるしかないのです。本音で話し合える文化は一朝一夕にはできませんし、今の当社も発展途上です。
私は若い頃から、「部長が課長の仕事をするのはおかしい」と思い続けていました。課長は課長の仕事を、部長は部長の仕事を残さずやってほしい。そのためには、部長が課長の仕事をやってはいけないんです。
役員会議では、私はなるべく発言しないようにしています。代わりに、参加者の理解が深まっているかどうかに気を配っています。技術の専門的な話を、営業系の人がきちんと理解できているかどうか。また、バランスシート上の細かい数字の話が、技術系の人たちにまで腑に落ちているかどうかどうか。そこを見るようにしています。
何と言っても、サラリーマン社会における社長の権力は強いのです。客観的に考えれば、とても売れそうもないような製品の企画であっても、それが社長の提案なら、「売れるかもしれない」と周囲が担ぎ上げてしまわないとも限りませんからね。ですから私は、製品や生産について細かいことは言いません。ただ、最高責任者として「市場から見る」ことだけはどんな場面でも問いかけます。
当然ですが、事業性については常に考えています。投資したら、回収する。当たり前のことではありますが、いざクルマ談義が始まると、採算性や投資回収が議論から漏れてしまうんですね。そうなると私は、「我々は商売をしているのだ」とクギを刺します。それが私の役割なんです。
社長として会社の大きな方向性を示すためには、書類の山に閉じこもるのではなく、自分の知らない世界に視野を広げることも必要です。なるべく違う業界の人と接点を持つことを心掛け、自分自身のアンテナを高くして、いろいろなことを吸収する。社内で技術的なことは言わなくても、例えば米国の投資家から聞いた話や各国の景気動向については、いろいろな人と会って知る機会の多い自分が、現場にインプットするんです。
定期的に現場に行くことも心がけています。スケジュールには会議などがいっぱい入っていますが、少しでも時間が空いたら、現場の空気に自分をさらすのです。工場でも販売店でも協力会社でも、現場に行けば空気が伝わってきます。
従来のやり方では、計画を作るまでが全体の99%でした。出来上がったらヘトヘトになって、「ああ、終わった」と言っていたぐらいです。それに対し、今回は計画を作るまでが全体の5%で、それを現場に落とし込み、実行に移すまでが95%です。
現場とのやり取りで私がよく言うのは、「結果の数字で議論するのはやめよう」ということです。損益計算書も販売台数も、結果としての数字です。それをベースに議論するのは意味がない。より良い結果を生むために何をやればいいのか、どうすれば可能性が高まるのか。仮説を立てることが必要なのです。
米テスラ・モーターズの台頭が示すように、新しいプレーヤーが自動車産業に入ってきて、産業自体の形態や戦い方が変わってくる可能性が高いわけです。だから、既存の競争関係だけを前提に今後を考えるべきではない。
自動車産業全体で見れば、スバルのような個性ある会社が存在した方が面白いはずです。クルマというのはファッション産業に近いところがあります。いろいろなブランドや個性的な商品がある中で比較し、選択できるから、愉しんでいただける。同質競争と寡占が進み、例えば世界に自動車メーカーが4社になってしまったらどうなるでしょうか。既成の制服しか選択肢がなくなれば、消費者は服そのものへの興味を失ってしまうでしょう。
スバルは、昔から「いいクルマをつくっている」という評価をいただいてきました。しかし、その評価が必ずしも売上げに結びついてきませんでした。その理由をひと言でいえば、お客様が求めるクルマをつくろうという意識が低かったのです。たとえば、現在、米国で人気の高い「レガシィ」は、以前のモデルではアメリカ人のお客様が乗ると、正直いって車内が狭かった。そういうご不満も寄せられていました。しかし、かつてのスバルはそうしたお客様の声に耳を傾けようとしてきませんでした。これではいかんということで、車高、車幅、車長のいずれも一回り大きくしてグローバルサイズに変更したのです。これはほんの一例にすぎませんが、このようにお客様の視点に立ってさまざまな修正を加えたことが、爆発的な売行きにつながったのです。
2000年代の前半に、あまりにも技術志向に走りすぎた時期がありました。たとえば2003年に「R2」、2005年に「R1」という軽自動車を売り出していますが、これがほとんど売れなかった。スバルらしい個性的で面白いクルマではあったのですが、「自分たちがつくりたいクルマをつくる」ことにあまりにも偏りすぎて、お客様のニーズをほとんど考慮していないクルマでした。その当時、軽自動車に乗るお客様はコスト志向、スペース志向であることがマーケティングデータにはっきりと表われていました。つまり「安くて広いクルマ」が求められていたのです。しかし「R2」「R1」は正反対のクルマでした。データとは異なる志向をもっているお客様もいるはずだという「仮説」に基づいてつくられたクルマでした。この失敗から、こんなことをやっていては会社が潰れるぞという危機感が生まれたのです。
2000年代の前半の反省を踏まえて、唯我独尊的につくりたいクルマをつくるのではなく、仮説という名の思い込みでつくるのでもなく、きちんと事実に基づいて考えようじゃないかと。そういう方向に大きく舵を切ったわけです。私は当時、戦略本部というセクションで商品企画を一から見直す作業をしましたが、社内の危機感は非常に強かったことをよく覚えています。
企業風土を根本的に変えるのはもちろん簡単なことではありませんでした。最初に我々が取り組んだのは、「スバルとは何者なのか」を徹底的に考え抜くことでした。スバルの世界シェアは1%ですが、では1%の企業が生き残っていくためにはどうすればいいのか。1%ということはどう考えてもニッチャーだから、個性を大切にして差別化を志向しなければ存在意義がなくなってしまうだろう。では、大手に比べて乏しい経営資源のなかで個性を発揮するにはどうすればいいのか。当然、何かに集中せざるを得ないだろう……、と。
「スバリスト」という呼び名があるぐらい、コアなファンの方がおられます。こうしたお客様は、クルマをたんなる移動手段として考えているのではなく、走りの愉しみを重視していらっしゃいます。つまり、スバルがこれまでお客様に提供し続けてきた価値は、「安心と愉しさ」のふたつに集約できる。そこに経営資源を集中して、その価値を高めていくことをここ数年間、ずっとやり続けてきたわけです。
うちはニッチャーであり個性を打ち出していくべき会社ですから、必ずしも新興国市場に参入したいとは考えていないのです。新興国市場はコモディティー競争を避けられない市場です。コモディティー競争とは即ち、ボリュームとコストの競争です。安いクルマを大量に売る会社が新興国市場の勝者になる。スバルのような70万台レベルの会社がそんな競争をしても、絶対に勝ち目はないのです。
コモディティー競争に巻き込まれる新興市場に参入することは考えていません。中国には6万台ほど売っています。ただし、相手はあくまでも富裕層で、中国でもコモディティー競争に参入するつもりはないのです。新興国だろうと先進国だろうと、「スバルがあるから人生が豊かになる」と思ってくださるお客様に売っていきたいわけです。たんなる移動手段を提供するのが自動車メーカーであるならば、スバルが存在しなくたって人類は困りませんよ。(笑)
現在のスバルの社員の多くが意識しているのは、いわゆるエンスー(熱狂的な愛好者)のニーズに寄っていってしまうと、販売台数が落ちてしまうということです。クルマとしては尖った面白いものができるかもしれないけれど、どうしても台数は減ってしまう。もちろん、あまりそのことを意識しすぎるとスバルらしい個性を失ってしまう危険性がある。それは恐ろしいことです。そうなったら、スバルの存在意義がなくなってしまいますからね。しかし現実的には、尖りすぎることのほうが怖いんですよ。スバルのDNAは、放っておくとどんどん尖っていってしまうんです。
ポルシェの生産台数は10万台なのですが、スバルがポルシェの方向に尖っていこうと思ったら、案外、簡単にできてしまうと思います。しかし、10万台という規模では、うちの社員全員と販売店さんを食べさせることはできません。尖りすぎて台数を落とさないためには、技術畑ではなく営業畑出身の私が先鋭化にプレーキをかけていくしかないんです。
ある程度の規模がないと市場は席巻できませんが、反対に、大きすぎるとコモディティー競争に参入せざるを得なくなる。スバルのサイズだからこそできることって、たくさんあるわけです。
過去最高記録を3年連続更新し、業績を向上させることができたのは、自分の勤めている会社の強みとは一体何なのかを、きっちり詰めて考え抜いた結果でしょう。
ウチには個性的というよりもとにかく真面目な社員が多いですね。生真面目というか真面目すぎるというか……。もちろん、真面目であることは悪いことではありません。しかし私は、もう少し伸び伸びと仕事をしてほしいと思っているのです。もっとハチャメチャでいいんだよと、いつもいっています。
私なんてつねに「ふざけるなよ!」って思いながら仕事をしているタイプです。若い頃は上司ともよく喧嘩をしましたし、仕事がバカバカしくなって辞めようと思ったことも何度もあります。いつでも転職できるようにしておこうと思って、若いとき、自分の市場価値を調べにいったこともありますよ。
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