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上野和典の名言68件

私は実は数字には弱かった。大学時代は絵を描くことが好きで、そういう仕事に就きたいと思って、バンダイに入りました。結局は企画畑が長くなってしまうのですが、経理の仕事にはあまり縁がなかった。それが事業部長になって、いきなり会社の数字を学ぶ必要に迫られたのです。
事業部長になった半年後、有力な販売先が倒産してしまった。一応、倒産の気配はあったはずなのです。先方の会合に行くと、何やら資金繰りなどの話をしている。でも、詳しい内容はちんぷんかんぷんなので、「まあ、大丈夫だろう」と担当者任せにしていました。後になってわかるのですが、その販売先を何とか支えようと担当者は努力していた。それがあだとなって、当社側の不良債権が膨らんでいました。ショックは大きかった。自分自身は別に得意技があるので、数字のことは知っている人に任せておけばよいと思っていたのですが、それではやはりまずいな、と痛感しました。
事業部長になってから、このままではまずいと思い数字のことを勉強し始めました。まず社内で数字に詳しい人にいろいろ尋ねることにしました。「この取引先は大丈夫?」「どこをどう見れば大丈夫だとわかるの?」と質問していました。そうすると、みんな親切に教えてくれる。「もっと早く聞けばよかった」とつくづく思いましたよ。そうこうするうちに何となくコツがつかめてきました。自分が覚えておかなけばいけない部分、知らなければいけない部分が理解できるようになる。大事なのは自分のビジネスに役立つ数字を理解することであり、決して経理用語を丸暗記することではない。
バンダイは玩具を中心とするエンターテインメント企業なのですが、極端な話、売れないとゼロという世界です。もうダダでもいらないというときもあれば、100万個売れることもある。同じ費用をかけたとしても、そういうことが起こりうる。ギャンブル性が高いのです。ゼロになる可能性を頭に入れておくと、資金繰りもギリギリではできない。いざというときに非常に困るので、キャッシュは常に潤沢に持っている。
現場ではセンスだけで仕事ができるわけではありません。私も若い時代は失敗しましたし、へこむわけですよ。「会社にいくら損をさせてしまったのか……」というような。しかし、へこむばかりでは能がないですから、「今回はいくらの損で処理し、次はいくら儲ければよいのか」と自分なりに計算するようにしました。
会社の仕組みとして、商品化できるかどうか判断するシートもあって、そこに売上予測、費用などを書き込んでいくと、儲かるかどうかわかるような形になっている。ここでダメだったら、まず商品化はされません。
半分くらいは守り(定番のもの)でベースを作ってもらって、後の半分は損してもいいから勝負してもらいたい。ですから、「何でもかんでも収支を合わせないと前に進めない」というわけではない。趣味性の強い仕事なので、ときには商品の仕様が予想外にゴージャスになってしまうこともある。それが今のバンダイの姿です。管理していないようでしている、逆に管理しているようでしていない。こうした状況が混在している。
バンダイの半分は定番です。去年『仮面ライダーフォーゼ』をやったら、今年は『仮面ライダーウィザード』にしましょうと。『ガンダム』は30年やってますが、2年に1回程度は新作を出す。1回失敗しても、次でリカバリーできるので大丈夫です。そういう定番が5割あり、事業を下支えしている。実は利益では7割くらい稼いでいる。残り3割をほかで稼いでもらいたいと思っていたら、計画の10倍となり、自分たちがびっくりすることもある。
自分で会社を起こしたわけではありません。先輩から引き継いだわけなので、数字の目標はシンプルです。先輩の達成した数字を超えられるかどうか。それが非常にわかりやすい。誰にも言いませんが、内心では「ここは超えたんだ」と納得したり、自信を持ったりしています。
子供のころから相手をよく観察する癖がありました。「なるほどこういう人か」と心の中で思っておくと、落ち着いて話を進めやすいのです。極端にいえば、心のどこかに「話が続かなくても別にいい」という割り切りもあるので、それがかえって態度の余裕につながって、「話しやすそうな人」に見えるのかもしれません。
会話の口火を切るための質問はしますが、相手が話しはじめたら、ほとんど質問はしないですね。反論することもありません。ほぼずっと聞きっぱなしです。相手の話が明らかにひと段落つくまでは、次の質問はしないようにしています。相手のペースに合わせて会話を続けるためです。
質問は得てして、相手のペースを乱すことにつながりやすい。変な質問をされて、自分が言いたいことを途中で遮られたら、気分を害しませんか?
人は自分のペースで話すのが何より心地よいのです。そうして、自分の話したいことをひとつ残らず話し切ればとてもスッキリします。それを許してくれる相手には、「この人は話しやすい人だ」と自動的に好印象を抱くわけです。
自分のペースを乱されると、人間は猛烈に腹が立ちます。その意味で最悪なのは、相手の主張を先回りして言ってしまうことです。相手の話が要領を得ないと、つい「つまり、こういうことですね」と口を挟みたくなりますが、たとえその内容が正しくても、相手はいい気はしません。もうそれ以上話す気を失ってしまうでしょう。
人の話を聞くとき、共感のリピートを入れるとより効果的です。「僕もこういう経験があるんですが、それはいまおっしゃったことと同じですかね?」と、いま聞いた内容を確認しつつ、共感を伝えるわけです。こうして相手に寄り添う形でペースを保てば、会話は自然と盛り上がっていきます。
相手の意見に共感できない場合もありますが、「僕とは違う意見ですが、一理ありますね」という気持ちを伝えれば、相手には「共感」と映るものです。
異なる意見に対して「一理ある」と思えないという人は、周囲から敬遠されているようなちょっと変わった人と積極的に話してみるといいのではないでしょうか。個性的な考え方の持ち主と付き合うことで、自分の考えにもだんだん柔軟性が出てくる。そうすることで、より多くのタイプと会話が続けられるようになるはずです。
部下から悪い報告を受ける際も、まず言いたいことを全部話させます。言い訳があっても、途中で遮ることはありません。そこで話を遮って何か言うと、今度は部下が聞く姿勢ではなくなってしまうからです。表面的には黙って聞いているように見えるかもしれませんが、内心では混乱してますます弁解を重ねることになって、こちらからの言うことはまったく伝わらないのです。
部下の報告で話したいことすべてを話させれば、部下は頭の中をスッキリと整理することができます。そうなれば、「このように改善します」と自分から言ってくれるものです。あとは「じゃ、そうすれば」と背中を押すひと言を伝えればいい。
相手が初対面の人なら、まずその人がどんなタイプかをよく考えます。相手の人となりを知っている人が身近にいれば、事前に聞いておくということもします。もしその人が論理的に考えを積み上げる人なら、まずは相手の主張をじっくり聞きますし、結論を出してからプロセスを考える人なら、自分の結論に対する意見を聞きたがるので、こちらも結論をすぐに話せるように準備します。
バンダイでは半年に一度、事業部長が集まり、方針発表会を開きます。自分の事業部は何をやりたいのか、一番やりたいこと、ポイントは何かを語ります。そのため、持ち時間は一人10分とし、時間が来たら「チン!」とベルを鳴らすルールにしています。ところが、持ち時間を超過しているにもかかわらず、事業計画を事細かに説明しようとする人がたまにいます。話のポイントが整理できていないせいです。
報告会議で注意すべきなのは、「わかりやすく話せ、しかし相手のレベルに合わせすぎるな」ということです。話の中身を伝えるのは、わかりやすく話さなければなりません。しかしその一方、聞き手の事情に配慮しすぎて必要以上に懇切丁寧に語ろうとすれば、かえって会議進行の妨げになります。
バンダイの情報共有型会議では異論や質問を一切受け付けません。聞き手が疑問を持つのは当然ですが、それをいちいちその場で解決していたら、会議はいつまでたっても終わりません。だから質問があれば、会議のあとで個人的に聞きにいくことになっています。そもそも質問とは、説明や報告に対して「自分がどのように納得したか」を確認する作業です。つまり公開の場でやり取りする性質のものではないのです。
情報収集や意見交換型の会議の鉄則は「結論を出さないこと」です。会議を切り上げるために、じゃあ結論を出そうとなりがちですが、無理に結論らしきものを出しても意味はありません。このタイプの会議で大事なのは、議論の中でどのような情報が出たかということです。途中経過を記録した議事録をつくり、それを各々が現場に持ち帰るべきなのです。
ブレーンストーミングは、セレモニーとしての会議や情報共有型の会議とは正反対で、時間制限を設けずに、体力が続く限り何泊でもしてアイデアを煮詰めるものです。ここにはなるべく職位の上位者は参加しない方がいいでしょう。理由は簡単で、時間無制限の会議だから年長者は先に参ってしまいます。しかもその人がリーダーであれば、自分が疲れたところで「この辺でいいだろう」とまとめに入ってしまいます。メンバーのアイデアが最後まで出尽くさないうちに会議が終わってしまう恐れがあるのです。
ブレーンストーミングのあと、ひと眠りすると、何を話し合ったか忘れてしまいます。だから、どんなプランが出て、どんな反対意見が出たのかをきちんと書きとめておく必要があります。
会議をすることで情報を共有する相手は他人だけとは限りません。会議で発言するには事前の資料づくりが必須です。資料づくりとは、自分がいま手掛けている仕事の目的や進捗状況を、わかりやすくまとめ上げる作業です。それを終えたうえで資料を読み込み、会議の場で発表すれば、仕事の目的や状況、課題がより整理された形で自分の中にしみこんできます。
月一回、各事業部の代表が集まり報告会を開きます。普通は事業部が異なれば仕事が重なることはさほどありません。そのため、他の事業部が報告を行っている間は、身を入れて聞いていない人が多いでしょう。しかし、会社全体の動きは必ず目の前の仕事につながってきます。それをきちんと吸収しようとする姿勢が必要です。
バンダイには、「やりたいことは失敗を気にせずにやってみよう」という社風があります。成功するに越したことはありませんが、成功も失敗もしない、つまり何もしないのが一番よくない。社員にはいつも「自分でリカバーできる程度の失敗なら、失敗してもいいよ」と話しています。
我々のようなエンターテインメント業界では、トライ&エラーを繰り返していくしかヒット商品を生み出す方法はありません。もともと人に楽しさや感動を売る商売ですから、世の中の流れを客観的に分析したり、リスクとリターンを詳細に検証して商品開発をするだけでは、人の心に響くものはつくれません。
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