名言info

御手洗冨士夫の名言56件

企業統治の問題は、つまるところ、トップの使命感に帰結する。
コミュニケーションをよくするうえで、最も大事なことは回数だ。
会社の目標は、達成されなければ意味がありません。政治家の選挙公約ではばくぜんとした内容で通用する場合もありますが、会社においてはそれで済ませるわけにはいかないのです。また、そのような表現では、トップが何を目標としているのかが、社員に具体的に伝わらないこともあります。目標はできるだけ数値化して、管理していくことが大切です
流動性の高い社会は、せっかくその人材に投資しても辞めてしまうので、教育投資効率が悪いともいえる。終身雇用は安心して生涯教育ができる。それから、入社して一生勤めるつもりであれば、自分の会社を傷つけることはしないはず。終身雇用には文化的ガバナンスがある。
資本戦略や開発戦略はインターナショナルだ。しかし人事はローカルなものだ。移民が多く多宗教多民族で、ルールで成り立っている流動性の高い米国社会には米国のやり方がある。しかし日本は基本的には同一民族で、互助の精神が社会にある。だとすれば、その特色を生かす経営のやり方が合理的だ。日本では終身雇用が合理的だと考えている。
キヤノンは米国の特許取得数で20年間、4位以下になったことがない。その技術を事業化する基準を厳しくしている。
私は常々、バランスシート(BS)を見てほしいと言っている。BSは損益計算書(PL)の積み重ねの通信簿だ。PLには資産も借金も書いていない。キヤノンは業績が伸びていないといっても、BSはまったく劣化していない。
日本で新しい製品や産業を生み、世界に広げてきたのがキヤノンです。これからは世界で新たな価値を生み出していきます。日本でやっていないことを、米国や欧州で始めます。既に高速印刷機は欧州、医療関係は米国が本拠になりつつあります。本格的なグローバルカンパニーが次の目標ですね。
突然の社長拝命でした。だから、キヤノンを、どのような会社にしようかと年末まで一生懸命、それこそ命懸けで考え続けました。脳裏に浮かんだのが、若い時に米国で見ていた一流企業の姿でした。経理を担当していた私は、勉強のためデュポンやP&G、IBMなどの財務諸表を取り寄せて経営を分析したのですが、米国で本当に一流の企業は分厚い自己資本を持ち、潤沢な手元資金で開発投資をして新しいものを生んでいました。当時、キヤノンはもちろん、日本の企業は、本当に借金経営。全くの別物でした。あの驚きと憧れはいまでも記憶に残って売います。よし、こうした一流企業肯を目標にしよう、と強く思いました。これが社長としての原点です。
会社で最も資金を使うのが工場です。ここを合理化すれば損益が改善し、キャッシュフローも楽になる。そう考え、調査の末に出合ったのが、セル生産でした。ベルトコンベヤーを使うライン生産と違い、十数人のチームが製品を組み立てます。ライン方式ではコンベヤーのスピードを上げない限り生産性は上がりませんが、セル方式なら創意工夫の余地が生まれ、作業者が習熟することで生産性が上がります。ラインで滞留する在庫が減り、資金繰りも楽になる。これだ、と確信しました。
工場の生産方式をライン方式からセル生産へ変更したとき、抵抗は激しかったですね。40年以上続いていた生産方式を根本から変えるわけですから。事務屋に何が分かると悪口を言われました。生産のプロと議論してもかないませんが、時間をかけるわけにもいきません。頼むから信じてくれ、責任はすべて取る、と説得しました。代表取締役を私一人にして、全責任を負うという覚悟を形で表しました。正直、孤独で怖かったですが、なにしろ無我夢中でした。
私が社長に就任したとき、キヤノンは多角化を標携し、事業部制を敷いていました。その体制が長くなり、制度疲労が起きていた。だから、全体最適という方針を打ち出しました。事業部の壁を破るため、全社に横串を通す委員会を作り、事業部門長に兼任させました。事業部間の壁が低くなり、次第に取り払われました。これで、中央集権で全体最適を目指す効率的な組織に生まれ変わりました。
効率的な組織の典型は、軍隊でしょう。ボトムアップでバラバラに動く軍隊なんてありません。全滅してしまいます。やはり基本はトップダウンです。トップが調査や議論をして、自分の責任で目標や戦略の基本を作るべきです。これは独裁とは違います。トップが考えを述べて、部下と話し、調整して手直しをする。社長に限らず、事業部長でも課長でも、集団のトップは自分の意見をはっきりと示し、そのうえで部下と交流していくべきです。
連結決算で見たキヤノンの売り上げは、9割近くが海外です。世界の市場で毎年、7~8%の成長が目標で、今年1~6月に欧州は7%、米国は10%と、現地通貨ベースでは目標通りに成長しました。ただ、円高のために円換算すると売り上げも利益も目減りします。円ベースの業績予想は下方修正を余儀なくされますが、これをもって、成長力が落ちたという指摘は当たらないでしょう。海外で稼いだ外貨は現地で再投資し、資本を増やしながら成長を続けています。
社長になってから、ずっと考えてきたのは人材の育成です。米ゼネラル・エレクトリック(GE)の役員養成システムを見習おうと、ジャック・ウェルチ(会長)に手紙を書き、研修させてもらいました。こうしてできたのがキヤノン経営塾です。そこで猛訓練を受けた人材が、役員や執行役員として活躍し始めました。これからキヤノンの経営は変わりますよ。
コンパクトカメラでもレンズ交換式でも、やみくもに数量を追わないという姿勢を維持します。安売り競争に巻き込まれないように、付加価値の高い製品を提供し利益優先主義で事業を進めていきます。
戦略的にBtoBを強化しています。BtoCの製品は多かれ少なかれファッション性が求められます。従ってはやり廃りの回転がとても速い。過当競争になってしまえば、研究開発費を回収する前に次のトレンドへと移ってしまいます。市場を独占できる製品は別かもしれませんが、BtoCの製品は回転が速く当たり外れが大きいので経営が安定しないという面があります。
安定的な経営ができるようにしなければいけない。
私が社長に就任してからは、売上高研究開発比率は8%程度を維持しています。他社に比べても非常に高い数字です。そのため、とがった技術がどんどん社内で生まれています。
スマホは全てが新しい技術でできているわけではありません。既存の技術を「編集」している部分が非常に多いのです。技術の組み合わせです。視点を変えつつも、時代の要請に合った「編集技術」というイノベーションの好事例でしょう。
モノ作りは以前より精密になってきました。我々も工程管理を「%」から「個数」に変えました。不良品の発生率も「0.1%」と聞くと少なく聞こえますが、カメラを1000万台作っている我々にとっては0.1%でも1万台になってしまいます。
毎朝4時ごろ起きています。そして経新聞の電子版を読みます。ニューヨークは昼間ですから、為替や長期金利、向こうのウォールストリートの市況がわかる。それをじっくり読んで、会社には7時前に着きます。
会社が始まるのは8時半ですが、7時には役員が全員そろっています。でも、これは私が始めたことではなく、朝会というキヤノンの伝統です。それで、7時45分くらいには役員会議室に集まってきて、8時半まで意見交換をする。
うちは役員食堂もないですから。私もみんなと同じ食堂を使っていますが、私が並んでいても、誰も順番を譲ってくれない(笑)。
組織のトップというものはある一定期間は務めなければ人脈を築けません。政治でもビジネスでも人脈を築くには時間がかかるし、そういった関係を築いて即時のコミュニケーションが取れることが重要です。
社長になる前、私は人事を含む管理部門の担当でした。したがって社長就任後しばらくの間は人もよく知っていて、自分で次の役員を決めることができました。ところが会社の拡大とともに、すべてを自分ひとりで判断することが難しくなってきた。そこで考えた結果、アメリカ時代の知人であり、GEのCEOを長く務めたジャック・ウェルチ会長(当時)に手紙を書き、GEの有名な役員・幹部社員養成所の仕組みを勉強させてほしいとお願いしたのです。そうしたら、快く引き受けてくださったので、社員を派遣して、その仕組みを学ばせてきました。
M&Aは機密性が大切です。また急ぐことも多く、社外の弁護士だけに頼っていては機動性を欠いてしまいます。したがって、弁護士が社内にいたほうがスムーズに事を進めやすくなります。ただ、法律問題は毎日あるわけではなく単発的なので、常勤ではなく、社外役員という立場で十分だと判断したわけです。
コーポレートガバナンスについて言えば、私は社長になってから、「透明度の高い経営」を推進してきました。たとえば、社長直轄の監査部門をつくりましたが、現在約70名の社員がその部門にいて社内監査を担当しています。監査対象には、私の担当領域も含めて聖域はありません。
当社ではロボットの目、要するにセンサーをつくっています。キヤノンは自社の生産のためにロボット本体を内製していますが、それを外販することはセンサーの提供先である企業と競合するのでいまのところは予定していません。でも、目ならロボット会社も買ってくれるじゃないですか。
いまのようなスピードの速い時代になると、一カ所でものを生み出して、世界中にばらまくやり方では間に合いません。そこでいま私が考えているのは、三極体制による経営です。本社を東京とアメリカ、ヨーロッパにつくります。メーカーの本社とは、研究、開発、生産、販売の機能を持ったものを指します。アメリカやヨーロッパでは、東京では開発していない技術を核に、新しい製品を展開していく。そうした体制で、経営スピードを上げて世界の市場をカバーしていきたいのです。
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御手洗 冨士夫(みたらい ふじお、1935年9月23日-)は、第6代キヤノン社長。東京都立小山台高等学校、中央大学法学部卒業。日本経済団体連合会会長。2006年5月、私立大学出身者としては初の経団連会長となる。 1935年:9月23日:大分県に生まれる。 1961年:3月:中央大学法学部法律学科卒業。在学中より司法試験を目指すが果たせず、同年4月、叔父御手洗毅が創業者のキヤノンに入社。 1979年:キヤノンUSA社長に就任。 1995年:元社長で創業者の一人御手洗毅の息子、御手洗肇の死去を受けて社長(第6代)に就任する。 2006年:日本経団連会長に就任。 社長就任後、キャッシュフロー経営を取入れ、キヤノンの財務体質強化に乗り出す。手始めに液晶ディスプレイや光ディスク、パーソナルコンピュータ事業から撤退。経営資源をプリンター、カメラ、半導体製造装置等に集中させた。次に、ソニーで行われていたセル生産をキヤノンに導入。海外への生産流出で生産性の低下していた工場の生産効率強化に乗り出す。
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