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辻野晃一郎の名言69件

後悔しないためには、自分のアジェンダ(工程表)をつくり、それに基づいて生きることです。そのためには、何事も自分で確かめて、その経験をもとに考えることが必要でしょう。
現場に行ってたくさんの人の話を聞き、それを取り入れて自分の考えを高めていく。そうした地道な行動を積み重ねることで、迷わない自分ができていくのではないのかと思います。
いまの時代、「上司の命令で」なんて言い訳にもなりません。今回の震災(東日本大震災)と原発事故の問題を例にあげるまでもなく、誰かに決めてもらって行動する危険性に、みんな気付いているはずです。
私の場合、ある一定の場所にい続けて、居心地のよさを感じると、「これは危険だな」と思う性格です。いいポジションに就いて、給料もよく、何不自由ない状況になると、この生活を早く打ち切って、次のチャレンジに進まないといけないと思ってしまう。もし私が強い心を育んできたというなら、このようにつねにリスクを取って、次のステージに挑戦する生き方を選んできたからかもしれません。
ソニーでVAIOデスクトップパソコン事業の責任者になったとき、不採算事業の責任者になるとはどういうことかを痛烈に思い知らされました。私が事業を引き受けた段階ですでに三桁の赤字でしたから、会議では前任者の残したこの数字のせいで責め立てられ、頭を土足で踏みつけられるような思いがしました。実績のない新任部長が何をいっても説得力がないので、とにかく黙って結果を出そうと覚悟を決めました。
もちろん、そのときは苦しかったのですが、私はソニーという会社が大好きでした。自分の人生とソニーの成長が一体に感じられるほど、ソニーに強い思い入れがありました。それに私はもともと、負けず嫌いです。自分に託された事業を何としてでも立て直そう、という強い信念があったからだと思います。
ソニーでVAIOデスクトップパソコン事業の再建を担当したときを振り返っての発言
私はどんなにつらくて困難な出来事も、偶然ではなく、必ず理由があって起こるのだと考えています。それを自分がどう乗り越えるのか試されているのだと。もっと自分を成長させるために、あるいはもっと大きな仕事に取り組めるようになるための、乗り越えるべき課題だと考えるのです。
うまくいかないときには、私たちに課題を与えてくれているのだと思うことにしています。そう考えれば、目の前の困難も前向きにとらえられるようになりませんか?
たとえばイチロー選手がスランプに陥ったとき、愚痴をいったり嘆いたりするでしょうか。おそらくしないでしょう。トレーナーや栄養士と相談して身体を整え直し、課題を克服するために黙々とバットを振るのではないでしょうか。そしていつかスランプを脱して、また活躍する。それこそがプロフェッショナリズムだと思います。
よいストレスとは、新しいことに挑戦したり、困難な仕事を成し遂げようとするときのストレスです。不安やプレッシャーを感じることはあっても、何かを生み出したり、前進するためには必要なストレスです。これを乗り越えることで、人は成長していきます。
もし、自分のやる気を奪う悪いストレスを受けていると感じたら、部署異動を願い出たり、職場を変えるなどして、一刻も早くそこから抜け出すのが賢明です。無理にその場所に留まって、頑張る必要はありません。一方で、自分を成長させるよいストレスのなかにいると感じたら、逃げずに前向きに取り組むべきだと思います。まずはこれらのストレスの種類を見極め、ストレスと正しく向き合うことが大切でしょうね。
まさか自分がソニーを辞めるとは想像もしていませんでした。しかし、いま思えば、ソニーを辞めなければグーグルと出うことはなかったし、グーグルを辞めなかったらいまの会社を創業することもなかったでしょう。
人が生まれてきたのは、他人とコミュニケーションを取るためだと言っていいかもしれません。そこから学びを得たり、イノベーションが起こったり、あるいは騙されたり。そのコミュニケーションの基本はあくまで対面。相手の匂いや息遣いを感じながら会話することです。対面で話すというのは、人が生きるうえで最も大切なことの一つです。
僕はシーンとしている職場は嫌いです。オフィスがあんまり静かだと、意識的に「なんでみんなもっと話さないの?」と文句を言います。職場で皆が仕事に集中してサイレントな状態であるならわかりますが、それも何日も続くのは異常です。
直接の対話なら、ひと声発するだけで情報を共有できますし、困っていることや抱えた課題を雑談ひとつで解決してしまうこともあります。
確かに時代は変わりました。ネットが進化し、メールもチャットもある。最近はLINEなども加わり、様々な手段でコミュニケーションを取れます。いま、一番大事なキーワードはクラウドのリアルタイム性。ここでクリックしたら瞬時に地球の反対側で反応するような、物事がすべてリアルタイムで動く時代です。しかし、コミュニケーションの手段をバーチャルなものに頼りすぎると、必ずひずみが生じます。同じ職場の者どうし、直接話し合えば5分で片付くような内容なのに、CCを付けたメールで延々公開討論しているようなのもその一例だし、隣席の同僚ともメールでしか会話しない、などとなれば問題でしょう。要は使い方の問題です。
対面、手紙、電話、メールやチャットなど、それぞれの長所短所や使い方を把握することが大事です。例えば、対面はやり取りできる情報量が格段に多い半面、時間と距離に制約がある。バーチャルな手段は便利だがニュアンスが伝わりにくかったりする。これらを場面、場面で上手く使い分けてコミュニケーション能力を高めていくことが、大切なテーマだと思います。
対面のコミュニケーションの大切さは古今東西を問いませんし、その手段も様々。グーグルでは部下との週一回の面接が義務付けられていましたし、米本社では毎週金曜夕方、経営陣がビールとスナックを用意した食堂で社員たちと直按対話します。
私もグーグル・ジャパン社長就任後、「One on One」と称して約300人いた社員全員と数カ月かけて面接を行いました。1人15~20分程度ですが、これで名前と顔を覚え、何をやっていてどんなことを考えているかが少しはわかります。いまの会社でも、定例ミーティングで社員どうし直接コミュニケーションを取るよう心がけていますし、必要に応じて一対一でも話し合います。
事業や会社の方針転換、秘策を打つためのアイデア出しなど、より本音の話し合いが必要な際は、合宿のような手段も有効だと思っています。先日も北鎌倉の古民家で日帰りの合宿を行いました。ソニー時代にも、葉山のショールームのフロアを借りて幹部合宿をやったり、同じ場所をグーグルでも使わせてもらいました。そもそも、「裸の付き合い」や「同じ釜の飯を食う」ことの大事さを、昔から日本人は知っていたんです。
分け隔てのないフラットなコミュニケーションは、簡単なようで難しい。この点、ソニーはたとえ新入社員とトップでも、お互いを「さん」付けで呼ぶという不文律がありました。一見何でもないことですが、呼び捨てとか「君」や役職名を付けると上下関係が生じる。逆に「さん」付けによって目上・目下を問わず、自然とお互いを尊重しつつフラットなコミュニケーションを取ることが容易になります。ひいてはそれが、イノベーションを生みやすいコミュニケーションスタイルとなっていたのではないでしょう。
私がグーグルで一緒に仕事をした人たちも、普通の数倍の早口で話していました。話す、食事をする、本を読む、歩くといった日常の行動が速い人は、大体仕事のスピードも速いと思います。私もせっかちな性格ではありますね。
タスクリストにタスクをためるばかりで全然消化しない人が意外と多い。リストアップして安心してしまい、先送りになるのでは無意味です。リストにあるタスクは今日の課題と考えて、どんどん消化していくように意識しなければいけません。
インターネットの時代のいいところは、仮に間違っても、すぐに修正が利くことです。昔は工場にラインをつくって売れない製品を大量生産してしまったら大変なことになりました。いまは、たとえばウェブサービスなどをとりあえずつくってみて、問題があったらすぐに修正することができる。インターネットビジネスでなくても、顧客からのフィードバックを得られるスピードが上がっていますから、方向転換が容易になっています。つまり、昔とは決断の重みが違うのです。どんどん決断して、どんどん動いて、フィードバックを読み取って、また判断すればいいのです。
新しいことをやるのにはリスクがあります。でも、やらないリスク、機会損失が本当は一番痛いんです。これは決して現代だけの話ではなくて、リスクをとってチャレンジすることは、世の中を発展させるうえで最も大切なことです。ソニーだって、かつてはモルモットと言われたくらい、他社がやらないリスキーな商品開発をしていました。その姿勢が人々を魅了したのです。
私はいままで生き残るために必死でやってきただけです。でも、常に新しいところに行きたいという思いはありました。いまいる場所の居心地がよくなると、もうここにいてはいけないと感じてしまうんです。しかも、目の前に選択肢があると必ず大変な方を選んでしまう。損な性格だと、我ながら思います(笑)。
ビジネスマンのスピードは、決して年齢とともに落ちるわけではないと思います。歳とともに経験も増え、助言してくれる人も増えるわけですから、判断のスピードはむしろ上がるはずです。
自分より若い人から刺激を受けるのも、スピード感を失わないためには大事かもしれません。
私はソニーに計22年間在籍していたので、社会人人生の大半を過ごしたことになります。しかし、収益が安定した事業を守るといった立場にいたことがありません。不採算事業の立て直しや、新規事業の立ち上げなどにいつも駆り出され、常時戦場という意識でした。
ソニー在籍中、VAIOのデスクトップパソコンの事業責任者になったとき、工場にお願いして製造ラインに丸一日入れてもらいました。本社の事業部長が工場でパソコンを組み立てるというのは前代未聞で、工場側も肝をつぶしていましたが、工員の方々に教えてもらいながら製造のイロハを理解できました。
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