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木暮太一の名言51件

多くのビジネスは一発勝負なのだ
自分は同期入社のA君より仕事のスピードも速いし、残業だってたくさんやっている。営業ノルマの達成率だってA君より高い。つまり、仕事の密度においても長さにおいても、A君よりはるかにがんばっているのに、A君と自分の給与にはそれほど大きな差がない。これは、あまりにも不当ではないだろうか……。酷なことを言うようだが、こうした思い込みは、根本的に間違っている。彼は一般的な日本企業において給与がどのように決められているかについて知らない。だから、誤った疑問を抱くだけでなく、努力する方向まで間違えてしまうのである。
新しいスポーツを始めようと思ったら、まず何をするだろうか。ほとんどの人が、ルールの勉強からスタートするだろう。どうすれば得点が入り、どうすれば勝ったことになるのか、まずはそのスポーツの「成り立ち」を理解するのが当たり前だ。「給与アップ」という名のスポーツを始めるとしたらどうだろう。やはり最初にやるべきことは、給与がどんなルールで決められているのか、すなわち給与の「成り立ち」を勉強することだろう。それを知らなければ勝ちようがない。
自分の給与がどのようなルールで決められているかを、ご存じだろうか。大半の人が、額面や手取りの金額ばかりに目を奪われて、給与の「成り立ち」について理解していないのではないか。つまり、多くのビジネスマンは、ルールも知らずにスポーツをやっているようなものなのだ。だから、「がんばっているのに給与が上がらない」とぼやくはめになる。ルールを知らずに無闇にがんばったところで、給与が上がらないのは当然なのだ。
いくら価値があっても、使用価値がなければ商品にはならない。同時に、価値がないものが商品になることもない。労力をかけなくても手に入るものを、わざわざ買う人はいないからだ。平地で吸う空気がダダなのは、そのためである。
労働力の「価値」を高めていない人は、高く買ってもらえない。一般的なブームでたまたま高給を得られるかもしれないが、やがて「この人材にそれほど払う必要はないのでは?」と思われてしまう。安定して高い給料を得たいのであれば価値=地力が給料に見合っていると納得してもらえるようにする以外にない。
よく、自己投資と称して異業種交流会に参加したり、セミナーや勉強会に出かけていったりする人がいる。自己投資と言うと、いかにも自分に労力をかけているように思えるが、そのほとんどは気晴らしにすぎない。気晴らしで悪ければ、趣味だ。私の経験によれば、異業種交流会の「異業種」とは「よくわからないが、いろんな業界」の別名であり、そこでかき集めてきた名刺か実際のビジネスに繋がる可能性は限りなくゼロに近い。この手の自己投資は、自主練とは呼べない。
自分の価値を高めるには、自主練を終えて本業の時間が始まったら、それに全精力を注ぐことが大切だ。
終身雇用制度は確実に崩壊しつつあるし、いま乗っている船がいつ沈没するかは誰にも予測できない時代なのだ。乗っている船が大企業だろうと中小企業だろうと、いまや事情は変わらない。そういう時代に生きていて、いざ船が沈没するときになって、自前の救命胴衣も持っていないというのでは、自分の人生に対して無責任だ。社内では目の前の仕事に集中し、一歩社を出たら、未来に備える勉強に集中する。こうした切り替えは、結果的に地力を高めることに繋がる。いざ転職という際のあなたの相場は、居酒屋で管を巻いている人々よりもはるかに高くなっているはずである。
ワークライフバランスという言葉の流行によって、特に若いビジネスマンの中に、この言葉を地で行こうとする人が増えてきている。仕事と私生活のバランスを取り、両方を充実させようという考え方自体は素晴らしいものだと思うが、「いつバランスさせるか」ということは、一考を要する問題である。若い時代に猛烈な働き方をして価値の蓄積をしっかりした上で、30代、40代に1年、2年という単位で長期の海外旅行に出たり、海外留学をしたりする人が私の周囲にはとても多い。こうした経験はストレートに自分の価値を高めることになると思うが、ワークライフバランスと称して、若い頃から頻繁に休暇を取って海外旅行にでかけることが、価値の向上に繋がるかというと、はなはだ疑問なのである。
いくら高い価値を持っていても、それが他者から評価されなければ給与のアップには繋がらない。日本には謙虚であることを美徳とする文化があるので、自己アピールをする人は嫌われるように思えるが、本気で給与を上げようと思ったら、積極的な自己アピールは不可欠である。
私がリクルートに在籍していたとき、上司から叱られたことがあった。「君はいい仕事をしているし、社内ではそれが評価されている。しかし、社外での評価が低い。これは君の自己アピールの仕方がなっていないからだ」これをきっかけに、私は自己アピールの方法を意識的に考えるようになった。
日本人の多くが自己アピールに尻込みしてしまうのは、自慢だと受け取られるのを恐れるからだ。日本人は、自慢していると思われることが耐えられないのだ。そこで必要になるのが、自慢と自己アピールの切り分けだ。これがしっかりできていれば、自己アピールが恥ずかしいという感覚はなくなる。会議で新規企画の内容を議論することになったとしよう。「私は類似の企画で社長賞を獲りまして」と言うのは自慢。企画の内容を尋ねられて、「類似の企画を担当したことがあります。その際、問題となったのは……」と言うのは自慢ではない。つまり自慢とは、文脈と無関係な自己紹介のことなのだ。これさえ押さえておけば、自己アピールに躊躇することはない。
たとえば、未知のクライアントにアポイントがとれたとしよう。面談の場で、相手の担当者から「信用できない感じの人だな」とか「仕事ができなそうな人だな」といった印象を持たれてしまったら、次回のアポイントは難しいだろう。多くのビジネスは一発勝負なのだ。
『人は見た目が九割』という本があったが、言いえて妙である。自分の価値を正しく評価してほしいと思ったら、身だしなみには十分な注意を払うべきなのである。さらに言えば、単に清潔な身だしなみを心がけるだけでなく、そこに的確な自己アピールを盛り込みたい。
先日、テレビを見ていたら、星野リゾートの星野佳路社長がTシャツ姿で出演していた。星野リゾートは、ラグジュアリーで寛げる空間を提供している。そのホテルの社長が、堅苦しいスーツ姿で出演しては、星野リゾートのイメージが崩れかねない。つまり星野社長は、外見によってしっかりと星野リゾートのコンセプトをアピールしているのである。
自分の価値を正しく知ってもらうために、「自分がこのような人だと見られたい」外見を整えることは重要だ。言い換えれば、自分の価値をそのまま表すような姿になっていないと、正当な評価は得られないということである。
転職がうまくいかないと悩んでいる人は「何回チャレンジしたか?」と自問してみましょう。私が29歳のときにサイバーエージェントから転職した際は、事業部の責任者として実績を残して、そのうえで転職先を探しました。それでも20社くらいは落とされましたよ。ポジティブなステップアップ転職でも、そのくらい失敗するものなんです。
転職も運と縁は大きい。だから「もうちょっと楽観的にいこうよ」と言いたい。
私は基本的に、国内で働くビジネスマンに英語は必要ないと考えています。学生時代には英会話スクールの帰国子女クラスで学びましたが、最初に就職した富士フィルムでも、その後のサイバーエージェントとリクルートでも、いっさい英語は使いませんでした。それに、あと数年もすれば、英語の問題はテクノロジーが解決するでしょう。ドラえもんの道具で、食べるだけで外国語が堪能になる「ほんやくコンニャク」がありますが、あれに近いものができるのではないでしょうか。
使わないのに英語をとりあえず勉強するような人は、履歴書に書けるスペックを強化して安心しようとするのでしょう。でも、正直に言って採用する側はそんなところは見ていない。まして、日々の仕事で「お勉強」が役立つことはまずありません。
私の場合は、会社の中で「これをやってきた」と誇れるものを作ってきました。ビジネスとしてこれをやって、世の中にこういう影響を与えた、と言えるような実績です。それを作るまでは転職はしない。そのために必要な時間は、人によって3年、5年と異なるでしょう。
たとえばリクルートの営業マンなら、リクルートだからこそ顧客は話を聞いてくれる。それを「自分は日本一の営業マンだ」と勘違いしてしまうと大変なことになります。
万人に役立つものがあるとすれば、これからは「人を巻き込む力」でしょう。自分ではできないことを誰かにやってもらうために、声をかけられるか。見返りに自分が提供できる価値を身につけているかどうか。
会社の中で経験を積んで自分の軸を作るべきです。ただ、専門分野がひとつだとどうしてもコモディティになりますし、機械との競争には勝てません。それこそドラえもんに出てくる「ほんやくコンニャク」のようなツールができた瞬間、英語しか軸がない人は路頭に迷います。人間にしかできないのは掛け合わせること。自分の軸にもうひとつの軸を掛け合わせる。その組み合わせで機械に勝ち、他者と差別化するわけです。
わかりづらい文章の特徴は、まず一文が長いことです。「~で、~であり、~なので、……」と「、」で延々と続いていく文章ですね。よく言われることではありますが、一文が長いのは最悪だと考えてください。
目安として、一般的に一文の長さは70文字までと言われています。でも実際には、70文字に収めることを意識するよりも「、」を使わないようにする方が良い。「、」を使いたくなったら「。」でいったん切るようにするといいでしょう。
一文が長くなるのも、主語と述語の不対応が生じるのも、背景には同じ理由があります。何となく文章を書き出して、書いているうちに書きたいことが変わってくるからです。一文の中でさえこうした混乱が起きるのですから、文章全体ではまったく意味不明になってしまうのも無理はありません。では、書いているうちに書きたいことが変わるのはなぜなのか。それは、あらかじめ書きたい内容を決めていないからです。別の言い方をすると、文章の結論を決めていないということです。
わかりやすい文章を書くためには、その文章で「最終的に何を言いたいのか」を、最初に決めておくことです。実際の文章の書き方としては、最初に最後の一文を書くのが良いでしょう。結論を最初に書いてしまうのです。それから逆算して考えていく。すると全体の構成が決まります。ここまでやってから書き出せば、必然的に論理的な文章になるわけです。
多くの人はゴールが見えないなかで、最初の一文を書き始めます。だから時間もかかるし、できた文章がわかりにくい。ゴールから逆算することで、文章を書きやすくなるのです。
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