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築山節の名言57件

多くの人が侮ってしまうのは、朝の時間の過ごし方です。これが、脳に極めて大きな影響があるということをみな軽んじています。私の患者さんには大手企業の管理職の人や、キャリア官僚なども多いですが、彼らの主な訴えのひとつが、最近どうも頭が冴えないというもの。会議で人の話の要点をうまくつかめない、いいアイデアが浮かばない、と。診察すると、特に健康状態に問題はないのですが、残業などで帰宅時間は一定ではなく、そのため起床時間も一定していないことが目立つ。ぎりぎりまで寝て、タクシーで会社へ行く人さえいます。それでは頭が冴えないのも無理はありません。だから、そういう人には病気ではなくても、早起きして朝一番に病院に来るよう仕向けることもあります。
遅くとも12時前に就寝し、6時間以上は寝る。そして、起床時間を一定にする。当たり前に思えるこの生活リズムをしっかり確立して、生活の原点をつくることが脳活動を安定化させるためにも大事です。朝時間のリズムを失うことは、強い言い方をすれば痴呆予備軍になるリスクがあると私は考えています。
小学生の子供たちが元気な理由、わかりますか? 大人みたいにお酒飲んだり、暴飲暴食したりしないということもありますが、それよりもよく遊んで体を動かして早寝早起きするというシンプルな生活サイクルを守っているということが最大の要因なんですよ。
朝の時間を有効に活用するキーワードは、「手・口・足を動かせ」です。朝の脳はぼんやりしています。覚醒度は低い。そこで、起床後2時間、脳の運動系と呼ばれる機能を使うことでウォーミングアップをするのです。ウォーキング、部屋の片付け、朝ごはんづくり、家庭菜園、ゴミ出し、丁寧な歯磨き・洗顔など、ごく簡単にできることはたくさんあります。
人間の脳ってヘンなもので、小さな任務でも完了させると気持ちいいと感じるんです。簡単なことでも量的にこなせるとうれしい。それが自分への精神的なご褒美になって、脳のエンジンギアが一段も二段も上がって、その後の仕事がうんとはかどる。会社に到着して、机の上を整理整頓することも、同じように作業興奮による脳のパワーアップ作用が期待できます。
ウォーキングや散歩は決まりきったルートばかりを行くよりも、通ったことのないルートを行くと、より注意深くなり目をキョロキョロさせます。そのとき脳は見慣れぬ視覚情報を積極的に捉えようとしてフォーメーション全体がダイナミックに活動しています。その点、フィットネスジムでウォーキングやランニングをするのは、体力向上とストレス発散にはなっても、脳の活性化にはあまりつながらないといえるかもしれません。
人の行動と脳の働きは連動しています。ふつうは何か面白い・楽しいことがあると笑うというプロセスですが、顔の筋肉などを笑顔の形にするとその信号が脳にフィードバックされ、面白い・楽しいと感じてしまう。脳も笑ってしまうんです。
実は私も、記憶力にそれほど自信がないので、頭の整理ノートを長年持ち歩いています。そのノートはもう数十冊にもなります。人と雑談していて、気になる話があったり、ふとアイデアがわいてきたりしたら、それを個条書きでさっと書き留めるのです。キーワードだけでもいい。日付とともに、それを書き、夕食時に家族にその話を少しすれば再入力も完了。あとで読み返したときに、そのときの思いがよみがえってきやすいのです。
自分の頭で考えられる人とそれができない人の最大の違いは、実は、思考法とか頭の良し悪しではありません。失敗できるかどうかです。
考える必要が出てくるのは、教えてもらって仕事をする段階を脱したとき。たとえば営業なら、これまでに担当したことのない業種の顧客を新規開拓するときは、自分でやり方を考えるしかありません。そのとき、「これは成功するかどうか、ギリギリだな」と思いながらも、失敗を恐れないからこそ、自分で考えることができるのです。
何度もやったことがある仕事なら考えなくてもできます。だいたい1万時間も仕事をすれば一人前にはなります。ただ、それはサッカーで言えば試合に出られる選手になったというだけのことで、ゴールを決められるかはまた別の問題です。
これまでの人生を振り返ってください。たくさん失敗してきたはずです。でも、ちゃんと生き延びているでしょう(笑)。私も決して優等生ではなかったし、研究者としても批判されてばかりでしたが、これまでやって来られました。
忘れてはいけないのは、ずっと頭を使い続けることはできないということです。人間の脳が冴えている時間には限りがあって、どんなに優秀な人でも、ずっと考えていればバカになります(笑)。つまり、寝ないで仕事をしたら頭は冴えないということ。365日、脳をちゃんと働かせようと思うなら、一晩徹夜して多少仕事を進めても意味がない。きちんと寝て、規則正しく起きることが大切です。
忙しいと毎日同じ時間に寝るわけにはいかないでしょうが、大事なのは、同じ時間に起きることです。平日の疲れがあって土日は遅くまで寝ているという人も多いでしょうが、これはいけません。人間の身体には時計が付いています。いつもは6時に起きている人が休日は9時まで寝ているとすると、この時計が3時間、後ろにズレてしまいます。すると、9時に起きる体内のリズムのままで、月曜日にはまた6時に起きなくてはいけない。だから週明けは会社に行きたくなくなるし、頭が働かないのです。そうならないために、休日でもいつもどおりの時間に起きること。休みたいなら、昼寝をしたほうがいいでしょう。
脳が冴えるのは1日に2回くらい。1回につき、最大2時間くらいです。いつそのタイミングが来るかは人それぞれなので、自分の脳が冴えている時間帯を把握して、そこで集中して考える仕事をするようにします。
脳が冴える時間帯は貴重ですから、有効に活用するようにしましょう。語弊があるかもしれませんが、会社の都合よりも自分の都合に合わせて、この貴重な時間を使うべきだと私は思います。
最低限責任を果たせばいい仕事に、脳が冴えている時間帯を使う必要はありません。脳が最大のパフオーマンスを発揮する時間帯は、自分がやりたい仕事、自分が伸ばしたい能力のトレーニングに使うようにするのです。そうやって自分を成長させたほうが、結局は会社の利益にもつながるわけですから。
30代に入ったら、「人間は多方面で同時に頑張ることはできない」と割り切りましょう。限られた脳が冴える時間帯は、本当に大事なことに割くしかないのです。
批判されたときはチャンスです。学会で研究成果を発表すると、「お前の研究はくだらない」と批判されることがよくありました。そこで私は相手の懐に入っていく。「どうしてくだらないんですか?」と、批判した人に質問するのです。すると、さらに事細かに文句を言われます。そこで反発せず、謙虚に聞いていると、「わかった、じゃあ教えてやるからうちに来い」と言ってもらえたりします。これも当然で、批判する側にはどうしてダメなのかを説明する責任があります。批判から逃げずに耳を傾ければ、もっと良いやり方を教えてもらえるのです。
研究であろうがビジネスであろうが、自分が何をやっているのか、何をしたいのかを明確にして、批判があれば受けるという責任ある態度で話していれば、みんなが助けてくれます。それが人間の社会だと私は思います。
本を読むのは大切なことですが、読むという行為には落とし穴もあります。それは、「読んだだけでわかった気になってしまう」ということです。とくに視覚から入ってきた情報はその傾向が強いので気を付けてください。本に書かれている内容は、他人の頭の中にある情報です。それを自分のものにするためには、読んだものを記憶し、自分なりに整理する作業が必要になります。
情報は一度入力したぐらいでは、記憶として定着しません。自分が使えるレベルまで脳に刻み込むためには、最初の入力の残像がまだ残っている状態で繰り返し入力する必要があるのです。繰り返し入力するといっても、同じ本を読み返すのでは非効率です。そこで私は本を読む際、その本のキーワードは何かと考え、付箋を貼ったり線を引いておいて、キーワードをパソコンに記録しています。それを印刷し、キーワードだけ何度も読み返すのです。
一冊の本を最初に読み終えたとき、脳内に残っている情報はほんの雫程度にすぎません。しかし繰り返し入力するうちに記憶の点が線になり、網目を形成するようになります。こうして自分が自由に使える情報になってゆくのです。
読む本の内容をしっかり記憶するためには「意味づけ」も有効です。人間は子供のうちは単純な情報でも記憶できますが、年齢を重ねると意味のない情報は記憶することが難しくなります。そこで本も漫然と読むのではなく、自分がいま持っている目標を意識し、それと関連付けながら読むのです。
まとまった時間を読書のためにつくるのは難しいという人も多いでしょう。せいぜい帰宅後、寝るまでに1、2時間を読書に割けるかどうか。それならむしろ、仕事と仕事の合間や移動時間など、ちょっと手が空いたときに本を読み、その都度内容を簡単にまとめておくのが効率のいい読書法です。読もうと思った本は買って手元に置き、付箋も常に携帯していると便利です。
本の内容を本当に身につけようと思えば、それを実際に使ってみることです。私の場合、難解な専門書などは読んだだけでは理解が十分でなくても、実際に患者さんと話してみることでわかってくることもあります。
記憶や後天的に獲得した能力は、時間の経過とともに失われてゆきます。ですから、得た知識を必要なときに使えるようにするには、継続的に情報をインプットし続け、話すための訓練も続ける必要があります。
脳のためには朝一定の時間に起き、太陽の光を浴びることが大切です。人間の脳は24時間同じ性能を発揮できるのではなく、働きたい時間と休みたい時間を周期的に繰り返しています。その周期と生活のリズムが合わないと、時差ボケと同じ状態が一日中続くことになります。生活のリズムが不安定な人は要注意です。
起床後は、脳のウォーミングアップが必要です。起きてから脳が活発に動くまで約2時間かかりますが、ボーっと座っているだけだと、さらに時間を要してしまいます。脳のウォーミングアップというと、単純な計算問題を解いたり、新聞のコラムを読むなど思考系を活性化することを考える人も多いかもしれませんが、脳の準備運動として効果的なのは、足・手・口といった運動系を意識して動かすことです。
生物の進化や人間の成長過程を見てもわかるように、人間の脳には思考系以前に感情系や運動系の機能が存在しています。人間は二足歩行をして、手を自由に操り、口を使って言葉を話すことができるようになって、はじめて高度な思考力を発揮させてきました。一日の過程も同じで、まず運動系の機能を十分に動かすことが、思考系の活性化に役立つのです。
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