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林野宏の名言80件

最近、20世紀に成功した企業が苦境にあえいでいます。簡単にいえば、成功を支えた組織と、それを構成する人の能力が陳腐化しているということ。典型的な例が家電業界ですが、実際はあらゆる業界に共通していえることで、現時点で陳腐化が表面化していなくても、それは競争相手も似た状況だから目立たないだけ。競争のグローバル化が進むにつれて露わになってきますよ。
リーダーがビジョンや夢を語るというのは、実はそれほど難しいことではありません。が、語るだけではダメ。現実感に欠けると、かえって社員やチームの人たちのやる気を失わせてしまう場合もあります。このギャップを埋めるのが数字です。特に大きな夢や目標は、社員やメンバーにとって現実感のある細かな数字を提示すること、さらに勝てる理由をロジカルに説明し続けることが、やる気にさせるコツです。
私がクレディセゾン(旧西武クレジット)に転籍した当時、社内は下を向いている社員ばかりでした。無理もありません。前身の緑屋は経営危機に陥り、セゾングループに入った後も再建がスムーズに進んでおらず、連戦連敗でした。こうした社内の空気を変えるために、私は「日本一のカード会社になる」というビジョンを掲げました。社員が下を向いてしまうのは夢や希望がないからで、顔を上に向かせるためには視線を向ける対象が必要だったからです。この目標を、月10万枚のカード発行という数字で示しました。1年で120万枚。当時、業界トップだったJCBのカード有効会員数は約700万人。JCBが現状維持なら計算上は6年で抜けます。一見、無謀ですが、具体的な数字に落とし込めば、決して手が届かないものではないとわかります。
リーダーが忘れてはいけないのは、イノベーションを起こしていかなくてはならない、ということ。これまでは営業企画とか商品開発、○○戦略室といった、サービスや商品などの差別化の武器をつくり出したりするセクション固有の概念だったイノベーションが、いまやあらゆるセクションのあらゆる雇用形態の人たちが参加すべきものに変わってきています。
商品ごとの差異が少なく、パイそのものが膨らんでいた時代は、各社はその力に応じてそのパイを分け合えばよかった。ところが、いまはスティーブ・ジョブズみたいな異端児が、他とは全然違うコンセプトで凄いものをつくり出すと、ウイナー・テーク・オール。全部持っていかれる。要は、イノベーティブな組織じゃないと生き残れないんです。
上司になったら「自分が上司にしてもらいたくないこと」をしないことが大切です。最悪なのは、数字だけ押し付けて、成功すると手柄は持っていく。失敗すると「おまえ、何やってる!」。20世紀なら通用したこういうやり方も、今後はそうはいきません。
かつて上司だった堤清二さんには、「時間をかけて考えてもロクなものはできない」ということを学びました。30代と若かった堤さんはあれをやれ、これをやれともの凄い球をどんどん投げてきた。最初は空振りばかり。そのうちファールになり、何回かは当たるようになる。何もせずじっくり見送るのが一番ダメで、とにかく手を出して、多くの空振りやファウルを経て初めてヒットが生まれるんだということを部下に教えてくれたと思います。
いまの時代に求められるリーダーは、ビジョンや夢を掲げて部下に説明し、共感させ、率先垂範して巻き込んで一緒に仕事をやっていくタイプです。その正反対が社内のヒエラルキーに沿った管理、監督、指示、命令。
人は皆、自分の中にクリエーティビティーやイノベーションを生み出す「知の泉」を持っています。この泉を広げ深めていくのも、遊びであり、学びであり、仕事です。そして、その源泉にあるのが、好奇心でしょう。
私が幼い頃から夢中になったものと言えば、賭け事や落語です。メンコやビー玉などを賭けて勝負をすれば、勝つためにはどうすればいいのだろうと考えます。ほかの人と同じことをしていては勝てませんから、知恵を絞って考える。そうして夢中になって遊ぶ中で、運とツキを引き寄せる法則を学びました。これは今、変革が求められている経営環境に立ち向かい、生き残っていくための知恵にも通じています。
かつて日本の会社はIQの高い人を新卒採用し組織で鍛えて従来のやり方を踏襲させていきました。日本全体が経済成長し市場のパイが膨らんでいく中ではそれでいいのですが、いまはパイが縮小する時代。少ないパイを同業他社と奪い合わなければならない。そんな椅子取りゲームを生き残るのに必要な能力はIQでもEQでもなく、ライバルを出し抜く知恵や戦略を描ける「BQ(ビジネス感度)」だと考えたんです。
昔は、ベーゴマやメンコなど、子ども同士で勝負をして、相手のものを取り合うような遊びをしていました。取られるのはイヤだから、勝つために一生懸命考えるでしょう。そういう経験が大人になって感性や知恵になると思うんです。いまの子どもたちはテレビや携帯のゲームで遊びますが、何もリスクがないので勝つために必死に考えたりすることが少ない。だからいまの若い人は、頭はよくても、人に先んじるような知恵を身につけている人が少ない気がします。
逆境のとき、「これは外部要因だから仕方ないのだ」と諦めてしまうのは簡単です。しかし、資本主義とはマーケットに向かって、絶えず顧客の獲得競争を繰り広げるもの。厳しいのは当然で、逆境はつきものなのです。むしろ、競争相手がうつむいているときはチャンスです。ここで知恵をしぼって他にないサービスを考えれば、簡単に相手を抜き去ることができます。
諦めてしまうのは「ロジカルシンキング」で物事を考えているからでしょう。逆境の時は、理論を立てて、数字に当てはめていけば、対応不能という結論しか出ません。順風満帆のときはロジカルシンキングでもいいのです。ところが法律で前提条件が崩されたり、新しい競争相手が出てきたり、企業の生死が問われるような状況では、行き詰ってしまいます。
いま必要なのは「イノベーションシンキング」です。ロジックだけでは成功を導きづらい時代です。イノベーションと呼べるような新しい価値を作り出していかなくてはいけない。諦めることは簡単ですが、ビジネスを含めた勝負の世界では、諦めることはナンセンスです。死にもの狂いで生き筋を探すことで、初めてイノベーションが生まれるのです。
クレディセゾンは現在、国内トップクラスのカード会社となっていますが、私が入社した時には事実上、倒産していた会社でした。その歴史は運とツキに恵まれたものでした。偶然ではありません。諦めずに生き筋を探し続けた結果、イノベーションが生み出され、運とツキが呼びこまれたのです。
私は39歳のときに西武クレジット(現:クレディセゾン)に転籍を命じられます。西武クレジットの前身は緑屋という月賦販売専門の小売業です。当時、すでに倒産していて、銀行の管理下にありました。着任時、社内の雰囲気は真っ暗でした。適当に働いていればいいやという意識が蔓延していました。セゾングループのテコ入れでやっと存続しているという状況です。私はまず「必ず勝てる」と訴え続けることにしました。社内の沈滞ムードを払拭し、気迫を植え付けて、運とツキを呼び込める土壌をつくるところから始めたのです。
運とツキは、強烈にそれを望んでいるところにしかやってきません。私は「月に10万枚ずつカード会員を獲得する」という目標を掲げることにしました。そうすれば、10%の解約を見込んでも10年で会員数は日本一になります。壮大な目標ですが、具体的な方策がありました。
クレディセゾンの前身、西武クレジットの立て直しを行ったときを振り返っての発言
当時、ライバル会社は積極的な勧誘をしていませんでした。入会カウンターは正午前後には昼休みがあり、夕方5時には閉まってしまう。土日も受け付けていません。来てくれる人を待つだけだったのです。私たちはセゾングループの各店舗にカウンターを設置して、営業時間中は絶えず積極的にカードの勧誘を行いました。
中途採用の女性たちの熱意、画期的なスピード発行の便利さなどが加わり、初年度に目標のカード会員120万枚獲得をクリア。実績が積みあがっていくと社内全体の雰囲気は変わり、やる気に満ちあふれるようになりました。
運とツキを呼び込むためには、勝ちがあるうちに次の一手を打ち、勝ち続けていくことが重要です。
90年には当時セゾングループだった西友の食品売り場で、日本初のサインレス取引を始めました。02年にはポイントプログラムの有効期限を廃した永久不滅ポイントを開始。10年には米アメリカン・エキスプレスと3年間の交渉の末、券面にアメリカン・エキスプレスの象徴である「センチュリオン(古代ローマの百人隊長)」がデザインされた提携カードを世界で初めて発行しました。80年代以降、我が国のカード業界のイノベーションはほとんど私たちがやってきたという自負があります。
私はビジネスの世界で「運とツキ」を呼び込んできましたが、それは勝負ごとによって磨いてきたものです。経験からいうと、運とツキは万有引力の法則と同様に、人に働きかけるもので、あっちの人、こっちの人と移り変わっていくものです。自分に運とツキが来ているのに、それを逃すと運とツキは逃げ、相手がミスをすると自分に戻ってくるのです。
相手に傾きかかった流れを引き戻す迫力は、「勝ちたい」という漠然とした思いではなく、「勝てる」という強い思い込みでしかもたらされません。根拠などなくてもいい。ワクワク、生き生きしているから、より一層の努力ができる。だから、より強い運とツキがついてくるのです。
勝負の分かれ目という言葉があります。スポーツならばあのプレーで勝負の行方が決まったという瞬間です。そんなとき、選手はノリにノッています。自分は今日はツイていると本能的に感じている。だから普段できないようなすばらしいプレーができてしまうことがあるのです。
業績が上向くと安心して、その安心が慢心に変わっていきます。そして限りなく傲慢になり、相手を見下してしまう。これが結局は企業の衰退を招いてしまうことになります。
人間の能力は無限大で、生まれつきの才能の占める比率は低く、集中して努力した時間によるものと考えています。私たちの能力は限りなく大きなもので、毎日の努力の積み重ねで、その価値を膨大なものにできる。働く人々の努力、すなわち夢中力こそ、会社の貴重な財産だと思うのです。
時間がないが口癖になっているような人がいます。どうすればいいのか、答えは単純です。仕事を速く仕上げてしまえばいいのです。そして、苦手なことはやらないことです。人生を80年とすると、ビジネスという意味では、最初の20年はなにもやっていません。定年を考えると長くても40から50年しかないわけです。休み時間を差し引けば、苦手なことをやっている暇はありません。得意なことをするだけで一生過ごせれば、かなりの成果を上げることができます。
企業の中で仕事をするうえでは、得意な分野をそのまま仕事にできるとは限りません。むしろそんな恵まれた人はごく少数でしょう。大部分の人は与えられた仕事を好きになるしかなく、得意になるしかない。しかし与えられた仕事だと言っても、努力すれば必ず好きになれる。努力とは夢中になれることであり、その結果、成果を上げることです。夢中になればどんな仕事でも好きになれる。夢中になった結果、成果があがればますます仕事が好きになります。
必要なのは「あと10%の努力」です。いったいどれほどの人が夢中で仕事をしているでしょうか。ほとんどは50から60%の力でこなしているように見えます。日本の企業内競争はとてつもなくレベルが高いものではありません。あと10%を上乗せして70%の力を出せば、抜擢される可能性が高いはずです。わずかの努力があなたをプロに育てるのです。
カード業界をめぐる環境は厳しい。しかし競争相手が諦めているとすれば、こんな勝ちやすい状況はありません。カード業界に身を置いて30年目になりますが、これほど絶対的に勝てるチャンスが来たのは初めてです。でも、多くの人はそれに気づかない。おそらく現場の出してくる予算は変わらないでしょう。人間は予算で数字をつくると、予算さえ達成できれば満足を覚え、それ以上やらなくなります。それが人間の性なんですね。
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林野宏(りんの ひろし、1942年‐)は、日本の財界人。株式会社クレディセゾン代表取締役社長。埼玉大学文理学部卒業。 1942年 京都府生まれ 1965年 埼玉大学文理学部卒業 1965年 西武百貨店入社 1982年 西武クレジット(現・クレディセゾン)にクレジット本部営業企画部長として転籍 2000年 クレディセゾン代表取締役社長に就任 2003年 りそなホールディングス社外取締役に就任 2005年 経済同友会副代表幹事に就任 『勝つ人の考え方 負ける人の考え方』、かんき出版 株式投資をしていた父の影響で、日本放送協会 NHKの第2放送の株式市場を見るうちに、東証上場の銘柄を小学生当時にすべて記憶していた。
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