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大東隆行の名言45件

王将は安いだけの店とは違います。手作りにこだわり、それぞれの店は店長の裁量に任せています。そして、オープンキッチンにして活気あふれる店舗にしている。どれも昔からやってきたことで、うち独自のやり方です。原点を重んじて努力してきた結果が不況でも好成績となっているのでしょう。
セントラルキッチンで調理した冷凍の食材を使うと、味が似通ったものになってしまい、他のチェーンと差別化ができなくなります。うちでは餃子のあん、皮、それから麺はセントラルキッチンから運んでいますが、後は全部、店でつくっています。野菜はキャベツでも玉ねぎでも、まるのまま店へ持っていきます。冷凍したものを温めて出したり、カット野菜は使いません。うちの従業員は料理人です。よそとはそこが決定的に違います。
うちでは土産(テイクアウト)を持って帰る人も多い。テイクアウトの比率は、おそらく外食だとナンバーワンでしょう。来店客のうち18%くらいが何か料理を持ち帰るんですから。店にとっては大きな利益になります。テイクアウトを重視するのも創業時からやっていたことです。あのころは容器がなかったから、お客さんは鍋とか皿を持って店に来ていました。
王将は一号店から店については店長の自主性に任せています。だから、店によって出すメニューが違います。よその外食チェーンは本部がこれを売りなさい、あれを売りなさいといった管理をします。しかし、何でもかんでも本部が決めてしまったら、店が工夫する余地がなくなります。それはよくありません。
うちでは店長が売れると思ったら、和食でも洋食でも、フランス料理でも何のメニューでも出していい。僕は「かまへん。好きにやり」と言うだけです。ただし、売れないとダメだし、40品目くらいあるグランドメニューは変えてはいけません。それ以外のところで創意工夫せよということです。
うちの会社は個性派の集団で、いわば動物園みたいなものです。そんな個性豊かな従業員がついてきてくれるのも、僕が想像を絶するくらい働いたからでしょう。僕は本部で夜中まで仕事をして、それから店に行って、朝まで掃除をしたことが数えきれないほどあります。朝になると、店の鍋で湯を沸かして体をふきました。血の汗、血のションベンを流しながら働きました。うちのみんなはそれを見ている。だから、会社はまとまりました。
食べるときは雰囲気が必要です。包丁の音がして、鍋を振っている料理人が目の前にいて、美味しそうなにおいが漂ってくるから食欲がわきます。だから、うちではオープンキッチンにしています。
以前、うちの会社は危機でした。470億円の負債を抱えて、つぶれるかどうかの瀬戸際です。僕は3年間は財務の立て直しに精を出し、原点回帰を訴えました。店を改装して、オープンキッチンを徹底し、作り置きやセントラルキッチンでの調理をやめました。店長の自主性を重んじました。それで数字が上がるようになり、借金はほとんどなくなりました。
うちでは毎日、130万個の餃子が出ます。皮を包んでいるのは従業員です。ちょっと手が空いたら、みんな一生懸命、餃子を包みます。お客さんはちゃんと見ています。そこが大事。それが飲食業です。
結局、飲食業は人です。人がやる気になったら行動は変化します。経営者がやることはその動機付けです。よそは社長が一番上にいるピラミッド組織ですが、うちはまったく逆。お客さんが一番上にいて、次が従業員、業者やフランチャイズがいて、底辺にいるのが僕です。経営者は主役とは違います。主役はあくまでお客さんです。
商売には変えてはいけないものと、変えた方がいいものがあります。手作り感、オープンキッチン、食材の鮮度、安さ、美味さ、グランドメニュー(メインのメニュー)については変える気はありません。しかし、それ以外は店長の判断に任せています。和食や洋食を出してもいいし、セットメニューをつくってもいい。
経営に大事なのはスピード感です。いちいち本部にお伺いを立てていたら、時機を逸してしまいます。即、行動を起こすことが人に訴えます。お客さんが欲しいというものがあればつくってみる。ヒットしたらほかの店もそのメニューをやればいいし、ウケなかったらやめればいいのです。
店長がそれぞれ、面白いことを考えたらいいのです。本部が一斉にあれやれ、これやれというのは僕の性に合わないし、王将らしくない。人間は自分の好きなことだと一生懸命になります。その人の長所は何倍にでも伸びる可能性があります。僕はそれに懸けているのです。
創業者がやるなと言ったから、いまはやりません。しかし、いざとなったらやるかもしれません。そんな柔軟に考えたらいいんです。
スーパーやコンビニからの王将の餃子を売りたいという申し出を断っていることについて語った言葉
無料券や割引券をもらった人が、みんな食べに来るわけではありません。うちの券をもらった人が食べにくる率はだいたい3%です。だって、タダとか安いとかいう理由だけで、人は餃子を食べに来ることはありません。美味しいからとか、雰囲気がいいからやってくるのです。
結局、飲食業は人なんです。気持ちのいい接客をし、安くておいしい料理をスピーディに提供するには、従業員が満足して働いていないとお客さんへのサービスもできないのです。そのために僕は従業員を大切にします。報奨や成果の還元だけでなく、僕自らが手本を示して仕事をしています。
僕は、リーダーは指導者でなくてはならんと思っています。支配者でも管理者でもいけない。上にいる者が支配者だと、従業員は怖がって意見も言わなくなります。管理者なら「こいつが言っていることだけをやればいい」となります。自分のことを社長だと思ったことはありません。
部下を怒鳴ったり、数字を追求するだけじゃ商売は上手くいきません。世の中はそんなに甘いもんじゃない。上の者が血のしょんべん垂らして働いているから、それを見ている従業員も頑張る。商売は人です。僕の目標は王将の仕事を通して人を残すことです。
経営には数字が大切です。うちでは25年前(90年代初期)からコンピュータシステムを導入して、前日の各店舗の売上、損益が朝8時までに全部、見られるようにしました。しかも対前年比でわかります。本社ビルはご覧のとおりボロボロです。ビルはカネを生みません。しかし、コンピュータにはカネをかけました。
いくら餃子が美味しくても、料理が出てくるのが遅かったり、接客や店の雰囲気が悪ければ、お客さんは「なんだ、この店は」と思って来てもらえません。だから、うちの店長の役目は自分で中華鍋を振りながら、接客をし、部下の管理を行います。店舗運営の一切の権限を委譲しています。うちでは店長教育に重点を置いて、人間力の向上に力を入れています。
私は店長を集めた合同会議では、「上司は部下に自分の思いを伝え、導く、伝道師であれ」と常々言っています。部下を怒鳴るのではなく、接客で何でも自分でやってみせること。上司は率先垂範でなければなりません。
うちのいまのテーマは接客サービスの強化です。接客サービスを向上させるため、外部講師による店長合宿研修などを行っています。研修で、僕が強調するのは、お客さんに対する感謝の気持ちです。「ああ、お客さんが来てくれた。ありがとうございます」という気持ちで接客しろと言っています。
いま、おかげさまで、お客さんがたくさん来てくれます。注文が立て込んで、忙しさに追い込まれることもたくさんあります。つい、不機嫌な顔をする店長や従業員が出てきます。それが一番いけません。そんなお店で料理を食べるお客さんの身になってください。不機嫌な従業員には声をかけにくいし、だいたい、料理がちっとも美味しく感じられません。だから僕は、「初心を忘れるな。お客さんが来てくれたことをありがたいと思って仕事をしろ」と言っています。
従業員には気持ちよく働いてもらいたい。だからといって、甘えた気持ちになってはいけません。生産性を上げなくてはいけないし、お客さんの目線を忘れてはいけません。
うちの従業員はまかないで、好きなものをつくって食べていいことになっています。だからといって、ラーメンに焼き豚を10枚も載せて食べるようなことは絶対にやらせません。従業員がお客さんに出す以上のものをつくって食べてはいけません。お客さんにしてみたら、「この店の従業員はおかしい」となります。お客さんの目線をいつも感じていろということです。
数年前まで、王将の仕事は「危険、汚い、きつい」の3Kだと言われていました。しかし、みんなが一生懸命、お客様目線で鍋を振ってきたから、お客さんが評価してくれるようになりました。
うちの店長に必要な資質はいくつかあります。まずは『行動力』です。来店客層や数字を読んで、「うちの店は昼のサラリーマンが多い。定食をたくさんつくったろ」と思ったら、次の日から定食を並べる。知恵を集結して行動を起こすのです。次は、『部下のことを理解する力』です。パートさんもアルバイトも含めて、自分の店にいる人の性格と行動を読む。それによって、仕事場の配置を考えることができます。そして『愛嬌』。店長は部下を引っ張っていく存在です。上に立って人に指図する人間は人間性を問われます。
上司は「この人の言うことは信用できる。この人についていったら何かいいことがある」と部下に思わせ、部下の中にファンをつくらなくてはいけません。そういうときに大事なのが愛嬌です。愛嬌のある人は絶対得をします。人間の値打ちは優しさと愛嬌だと思います。
なんといっても従業員の気持ちです。従業員一人一人が「やるぞ」という気持ちになってくれなければ、再建なんてできません。だから29億円の赤字を出した2002年も、従業員のリストラを考えるどころか、ボーナスを出しました。夏、冬はもちろん、決算時の特別ボーナスもです。まあ、金額は半分にさせてもらいましたが。
弊社は本部主導ではなく、店舗主導型です。これは王将の創業からの特徴です。地域に応じたオリジナルメニューを各店長が工夫する。値段設定も販促も、すべて店長の裁量次第。だから、地域の方に愛される個性のある店ができるのです。最近、地域密着型ビジネスの時代とよくいわれますが、ここまで徹底してやっているところはそんなにないと思います。
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