名言info

尾崎元規の名言47件

発売前には、受け入れ性テストを行います。そこで最低6割以上の評価を取らなければいけません。届かなければ、発売を延期してでも達するまでやり直すことを今でも忠実に守っています。
新商品の最終確認で、いろいろなマス調査を行い評価することも大事ですが、その前に自分自身で消費者をきちんと見て、現場、それも家庭や店頭での反応やニーズを探ったり、自分たちが出したものの受け入れ性を現場で確認することを大事にしています。
製品に関して生活者コミュニケーションセンターにお問い合わせやクレーム、ご提案など年間10万件以上のご連絡があります。そのデータをコミュニケーションセンターが整理して、事業部門や研究部門に流していきます。新製品を発売したら、翌日からどのような消費者反応があるのかをリアルタイムで見られるようになっています。売上の数字と消費者の反応が毎日見られるようになっているのです。
タイの手洗い洗剤を開発したときには、花王の研究員がタイの下町に住み込んで、毎朝洗濯場に行き、いろいろと話を聞きました。その後、日本に帰って試作品を作ってまたタイへと持っていきました。そして消費者の知識を吸収しながら製品を仕上げていく。これもいわゆる消費者起点の現場主義でのモノづくりです。
技術の進歩、消費者ニーズの変化に対して常にアップトゥデートし、「これでもか」と追求していくことが大事です。それと同時に、当社ではTCR(トータル・コスト・リダクション)活動というコストダウン活動を行いながら、継続した収益性を確保しています。
いくら企業理念が立派にあっても、現場から反応情報を取って、消費者を見て、いろいろなものごとを動かし形にするのは社員。その社員にやる気がないとダメです。
情報提供と情報収集をダイレクトにやろうという発想のもとに販社制度をつくりました。そのとき、マーケティングをやっていた佐川という副社長がいました。彼は消費者とインテリジェンスを交換するという言い方をしていました。いわゆる情報ではなく、あえてインテリジェンスと言ったのは、書かれたものとか出てきた数字データに何を読み取るか、データに秘められた物事の本質を読み取らなければいけないと考えたからです。読み取った本質を処理して返す。このインテリジェンスの交換が非常に大切というわけです。
いまの時代、企業はどのように情報を収集し、どう発信するかをきちんとコントロールする必要があります。だからこそ、トップが責任を持って決意を示し、その活用についてトップが旗を振らなければいけない。組織内で情報の温度差が生まれることは絶対に避けなければいけない。そのためにもITに関する基本的な考え方やコアの部分について責任を持って進める必要があると思う。
安いからといって、2個も3個も商品を買ってもらえる時代は過ぎ去りました。いま、必要とされているのは、高い付加価値がついた商品だけなのです。そんな商品を開発するために、当社では現場主義を徹底しています。
成功する商品には、ストーリー性が不可欠だと常々言っています。ストーリー性というと、まず物語をつくり、それに合わせて開発を始めるのだととらえがちです。しかし、本当に市場に必要なものは何なのかを、現場で得たものに基づいて考えていれば、自然にストーリー性は生まれるはずです。
何の考えも持たず現場を歩いても得られるものは多くありません。まずはいま、どんなことが解決すべき問題か、仮説を携えてから現場に行くことが大切です。調査の結果や、社内のマーケッターが持っている情報などを頭に入れたうえで、一度考えてみる。解決策の仮説を自分の頭の中で一度立ててから現場に行くのです。そうすると、何を重点的に見るべきかが見えてきます。
仮説を考えてから現場におもむくからこそ、現場に落ちている問題点や解決のヒントに気が付くのです。
私自身、週末のうち1日は自宅の近所にある、総合スーパー、ドラッグストア、雑貨やトイレタリーを置く食品スーパーの3軒を観測しています。合計で2から3時間。10年近く続けています。定期的に店舗に足を運ばないと、店頭の変化を肌で感じ取ることができません。スーツではなく、カジュアルな服装で店に行き、店の定番商品を見て、新製品を手に取る。当社の子会社が派遣した販売員をつかまえて話を聞くこともあります。
花王は一風変わった会社で、会議ではペーパーを配る習慣がありません。会議はもっぱら、スライドをプロジェクタで映しながら進められます。これは、出席者の意識を一点に集中させるためです。分厚い資料を配ると、出席者が別々のページを読んでしまうため、意識が分散してしまいます。参加者全員が意識を集中させて徹底的に議論すれば、「よしやろう」「これは、ダメ」と、その場で結論を出すことができます。他社によく驚かれる光景です。
「即断即決」のためには、提案書は簡潔にまとまっていなければいけません。プロジェクタでスクリーンに映し出された瞬間、参加者全員の共通理解を得られるものである必要があります。いくら内容が優れていても、小さな文字で表記されていたら、十分に理解できないうちに次のページへ進んでしまいます。一項目につき普通は2行、長くて3行。これが限度です。
会議では、訴えたいことは起承転結のあるストーリーとして整理します。様々な要素を簡潔な言葉に凝縮し、それを並べ直すのです。
弊社の商品に食器用洗剤の「キュキュット」があります。最初、このネーミングを提案されたとき、私はイエスと言いませんでした。ブランド名には普遍性と継続性が必要ですが、擬音語を使ったネーミングはこの点で問題があると、いささか保守的な判断を下したのです。しかし、担当者はこの提案を頑として引き下げませんでした。真剣な面持ちで、これしかありませんと言ったのです。最後は、「わかった。お前に任せよう」とこちらが折れました。思いつきの提案ではなく、商品ストーリーの中で、これしかないと考えたからこそ、一歩も引かなかったのでしょう。実際、キュキュットは大成功しました。
提案と名のつくものはすべて、提案者の作品という側面を持ちます。いろいろな人の意見を入れると、モザイク模様の提案になって鋭さが欠けてしまいます。むろん、理由なく意地を張るのでは困りますが、提案者には「社長の意見も突っぱねる」といった確信を持てるに至るまで、提案の中身を掘り下げてもらいたいのです。
成功する商品は必ずストーリーを持っています。ストーリーに欠陥や無理がある場合、その商品は絶対に成功しません。商品の企画や提案に限らず、提案書は、誰かにストーリーを語って聞かせるつもりで書き上げるといいでしょう。
私たちは困った問題にぶつかると、人に情報を求めたり打開策を相談したりします。もちろんそうした努力も必要ですが、それらはあくまでヒントであって、最終的な判断は自分で下さなければいけません。
苦しいことがあって気持ちがググッと押し込まれたら、まず踏ん張って態勢を立て直すのです。そのとき、後ろを振り向いても誰もいません。だから、自分で必死で考え決断したことを進めていくのが最良の道です。腹を括ってみると、逆にいろいろな考えが浮かんできて、前に進むことができます。
品質という問題に対して疑念があってはいけません。花王は品質が一番の基本であり原点です。だから品質に疑念が出たらまず払拭することが基本中の基本です。そこで疑念を払拭できるまでは、販売を一時取りやめて、払底できたときに再発売することを決めました。
私たちは長年にわたって品質を追求する努力を続けてきたという真実に基づく自負があります。その真実を拠り所として、私たちは前に進むことができます。そう自分に言い聞かせ、自分の信じる道を進んでいこうと考えました。
判断力を磨くには、読書も含めた経験が大切ではないでしょうか。やはり正しい努力を積み重ねてきたという経験そのものが、自分という存在になるのです。そこに拠り所がないと、困難に立ち向かうことは難しいでしょう。
必要な情報が3割しかなくても、進むか退くか決断しなければいけない場合もあります。そういうとき、最後はある意味直感が頼りになるのですが、それはいきなり出てくるものではありません。さまざまな要素や過去の経験を踏まえて考え抜く中で、迷いながらもやっと方向性が見えてきます。しかもそれは、スパッと割り切れるような単純なものではありません。
三代前の花王社長である丸田芳郎は、「会社は道場だ。自分を鍛える場所なんだ」とよく話していました。いま思い返すと、たくさん経験を積み、その経験値で様々な判断や行動ができる力を養っていく場が会社であると丸田は言っていたのだと思います。
毎日毎日コツコツと続ける努力の積み重ねこそが大事です。半年間山にこもって勉強しても、その後の日々を安易に過ごしていたら何にもなりません。いきなりスーパーショットを打つ必要はありません。それよりも長い期間コツコツと努力を積み上げることによってこそ、大きな成果も生まれるのだと思います。
大切なのは誠実さです。完全な納得を得られていない中で「この商品は安全である」と自分たちの主張を押し通していくことは、自分たちに対して忠実ではあっても、社会に対して誠実であると言えるでしょうか。やはり第三者によって安全性の確認が科学的に説明され、納得を得られるようにして初めて、誠実であるといえると思います。
結局、困難を乗り越える力となるのは、日々一歩一歩努力を重ねて形成した自分自身しかありません。その意味では、困難を跳ね返す力とは、自分の人生の凝縮から生み出されるものです。
最後に頼るべき存在は自分しかいません。自分の力で直面した課題を切り開かないと、誰も助けてはくれません。
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