名言info

楠木建の名言78件

川の流れに逆らわず、機が熟すのを待てばよい。そのうちに自分の持ち場や、やるべき仕事が新たに見えてくるはずだ。世の中という川の流れにはそれだけの度量がある。
「川の流れのように」というのは、何も手を抜くとか人任せにするとかいうことではない。むしろ主体性が大いに問われる。川の流れの中で、自分の個性を活かし、そのときに思い定めた自分の持ち場で真剣に力を尽くす。これが仕事をするということであり、生活するということだ。
人間である以上、「短所をなくし、長所を伸ばす」、こんなことは絶対にありえない。短所と長所、この二つはコインの両面のようなもので、ようするに同じことなのだ。弱みの裏にはその人の固有の強みがある。この両面をひっくるめて人の「個性」という。
「不安」と「問題」は異なる。「問題」は、はっきりとした事実である。自分の住んでいる国や地域が戦争状態になったとか、自宅が火事にあって焼け出されたとか。これに対して、「不安」は頭や心の中にある。外在的な事実ではない
不安というのはギャップである。自分が勝手に設定している「あるべき状態」と「現実の自分」とのギャップを意識したときに人は不安になる。だとしたら、不安を解消するにはどうしたらよいか。話は単純で、脳内で設定する「あるべき状態」を緩めるに限る
経営センスとは、その人が持っている論理の体系だと思う。経営は基本的に矛盾の克服なので、経営においての問いの答えはいずれも「特殊解」。その文脈で初めて使えるものばかりになる。スキルなら、たとえばIT力や英語力、あるいは会計や法務の知識は、ある程度あればそれを使ってどこでも同じように仕事ができる。ところが、経営ではケース・バイ・ケースでまったく変わってくる。経営センスとは、商売を丸ごと動かし成果を出す繰り返しの中で、その人にでき上がってくる論理の引き出しなのだ。
ビジネスはスキルをどんどん獲得していけばうまく進められるような、そんな甘いものではない。もちろん基礎的なスキルがないと会社は回っていかない。ところが、経営はスキルと違い、担当部署があるわけではない。商売丸ごと動かして、それで成果を出すのが経営者だ。肝心要の経営がないと、担当の仕事というのも本来ありえない。だから、誰かが経営をしないといけない。担当者レベルのスキルを足し算して、いわゆるゼネラリストがいい経営者かというと全然違う。担当者と経営者の間にはつねに大きなギャップがある。それだけ経営人材は希少であり、どの国でも不足している。
センスはスキルとは違って定型的な方法論がない。こうやったらセンスがつくようになるという教科書もない。突き放した言い方をすれば、経営のセンスは育てられない、でも育つ。他動詞ではなくて自動詞として。育つためには、若いうちから経営の経験を積んだり、プロフィットセンターを任されたりといった、育つ土壌があるといい。直接には育てることはできないが、結果としてセンスが育つケースはある。
経営者は単純に担当者の延長上に出てくるものではない。経営そのものになると、スキルだけではどうにもならないことがある。担当の延長上にはないセンスが必要になる。基本的な認識として経営もスキルで片付くと思うと、代表取締役担当者のようなありえない存在になってしまう。これでは「経営の墓場」だ。その会社は誰も経営していないのと同じ状態になっている。
グローバル化の本質はもちろん経営。つまり、非連続性を経営することだ。これまで慣れ親しんだ日本という環境を出て、商売をほぼゼロから組み立てていくのがグローバル化だ。卑近な例を取れば、四国のうどん店が東京に進出するのも、非連続性を乗り越えるとい意味ではグロ-バル化のようなものだ。そのときに必要なのは、「ちょっと俺、東京に行って商売を作ってくる」、こういう人ではないのか。これがまさに経営人材。グローバル人材だけが特別ではない。そういう当たり前のことが見過ごされている。
担当がなく、自分がすべてを動かせるという感覚。それが経営者の前提であり、そうなれば経営センスの出番になる。だから、規模ではない。従業員3人の会社の経営者と、部下が1万人いる工場長、生産部門長がいるとしよう。スケールとしては工場長のほうがはるかに大きいとはいえ、こちらは担当者のスキルで片付く。センスとい意味では、3人の会社の経営のほうが身に付くはずで、全然違う仕事になる。
リクルートからは経営者が輩出している。経営センスが育つ土壌にあふれているようだ。あの会社には担当という概念がない。入社即、商売してこい、商売を作ってこいと。これが経営人材の出る土壌を作る。
担当がなく、365日仕事に邁進するのが経営者だと言ったら、そんなことは誰もできないということになる。それをこなす。すべてのことはできないから、どういう仕事についてはハンズオフ(やらないこと)にするか。どこまでをハンズオン(やること)にするか。まさにそこに経営者のセンスが出る。その仕分けには固有のロジックがあるはず。何をオンにしオフにするかでそのロジックが見て取れる。
「好きこそものの上手なれ」が経営の最強の理屈だと思っている。上手でなければ人に貢献できない。仕事は基本的に人のためにならないと成立しないからだ。上手になるには、努力しなければならない。なぜ努力できるのか。好きなことだと、はたから見ると努力していても、本人には努力している自覚はない。好きでやるから上手くなる、上手くなるから人の役に立つ。これが仕事の理想だと思う。
仕事はスキルとセンスの組み合わせです。ただ、かつての電話のオペレーターやキーパンチャーのようにスキルが占める割合が大きいものもあれば、経営者のようにセンスに大きく依存しているものもあります。重要なポイントは、スキルが占める割合が大きい仕事は代替が容易であるということ。
センスを磨きたければ、好き嫌いを判断のベースに置くことが大切です。センスがいいというレベルに達するには、相当な鍛錬と試行錯誤が必要です。普通は途中で挫折しますが、好きなことになると人は努力を惜しまなくなる。「好き」は、努力の娯楽化です。自分の好きなことじゃないと、センスは育たないのです。それに対してスキルは、「好き嫌いを言っている場合じゃない」という話になる。たとえば、グローバル化の時代だから英語力は必要というプレッシャーで勉強したりする。センスはそうではありません。あくまでも好きだから磨かれるのです。
私は若いときに、現在とまったく違うテーマで研究していました。しかし、「研究しなきゃ」「いつまでに論文書かなきゃ」でやった研究は、やはり気が乗らない。誰にも頼まれていないのに、自分で「~しなきゃ」と思っているのだから、楽しいわけがないですよね。それに気づいてから自分が好きなことは何かと研究テーマを試行錯誤して、そのうちに自分の好き嫌い、持ち味や芸風といったものがつかめてくるようになりました。
スキルは定義や開発の方法論があるので、テストを受けるなどして、その結果をフィードバックできます。しかし、センスは定義や方法論がないので、自分一人で確かめることができません。だからセンスの悪い人は、自分のセンスの悪さに気づかずにそのままになってしまう。自分のセンスは、人と比べることで初めて見えてきます。そう考えると、センスのいい人は、自分と違う人と会って対話を重ねてきた人だとも言えます。
センスを磨くために誰でも簡単にできるのは、周りにいるセンスのいい人をよく観察することでしょう。昔はかばん持ちや書生という仕組みがありましたが、あれは経営センスを磨くのに効果的でした。
スキルは時とともに陳腐化しますが、センスは劣化しません。江戸時代に商売のセンスがあってうまくいった人との読書による対話は、いまの時代にも有用です。もちろん漫然と読むだけでは、センスをつかむことは難しいでしょう。この人は、どういうことが好きで、どういうセンスがあるのかなと考えながら読む。その姿勢が大切です。
いま日本では「サムスンに負けるな!」といったたぐいの議論が盛んですが、それは限りなく規模を追求するやり方です。でも、規模の拡大だけでやっていける時代ではありません。日本のような成熟国だと、売上高5兆円の会社が1社あるより、50億円の売上ですごく内容のいい会社が1000あるほうがずっといいと思うんです。
「これからは時代が変わる。従来のやり方は通用しない」というもの言いは、何もいまに限ったものではない。試しにビジネス誌のバックナンバーをチェックしてほしい。おそらく毎年、「いまこそ激動期!」と読者を煽っているはずだ。もっと遡ってもいい。過去1800年くらいの間、「いまこそ安定していて楽な時代」という理解が世の中に定着していたときはない。大変だと感じているのは、いまのあなただけではない。生きるとは、そもそもそういうことなのだ。
「環境はどんどん悪くなっている。将来は不安だ」という煽りに乗せられると、被害者意識が強くなり、犯人探しに走ってしまう。そうなると、自分のキャリアを考える余裕もなくなってしまうのだ。
いつの時代もいいこともあれば悪いこともある。同時に異なる時空間で生きることはできないので、実際にそうなのかどうかはわからない。でも、そう考えておいたほうが精神的には健康だ。犯人探しに貴重な時間を奪われなくて済む。
これからのキャリアを考える際には、気持ちをニュートラルな状態に持っていくことが大切だ。そのために、まず自分が置かれた環境を時間軸、空間軸で相対的にとらえ直すことから始めたい。
時間軸の相対化には読書が最適だ。昔の人と直接の友達になることはできないが、読書を通じて知ることは可能だ。お勧めを一冊あげるなら、16世紀、キリスト教の布教のために来日したイエズス会を描いた『クアトロ・ラガッツィ』。この作品では、道端で人がバタバタと倒れて死んでいく戦乱の世の日本人の日常がリアルに描かれている。それと比べて、いまの日本はなんと安定していることか。
考えるときに意識してほしいのは情報の遮断だ。自分の頭で考えることの重要性はみんな知っている。ところがいまは情報が多すぎて、それが容易ではない。思考は情報に注意を向けることによって始まるが、接する情報が増えると、それに与える注意の量が減ってしまう。情報と注意はトレードオフの関係にあり、情報が増えるほど思考が浅くなってしまう。
自分と対話するときは、「良し悪し」ではなく「好き嫌い」を追求してほしい。
好き嫌いは自己選択であり、誰かに強制されるものではない。好き嫌いで自分のキャリアをつくっていけば、選んだ道がタフであっても、明るく疲れることができる。環境を嘆いてブツブツ文句を言うより、そのほうがずっと楽しい人生になる。
「稼ぐ力」というと、ROE(自己資本利益率)といった指標に注目が集まりがちです。しかし、現実の稼ぎを作るのは個別の事業の担当者。
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