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芦田昭充の名言40件

私は仕事に役立ちそうな数字も役に立たなそうな数字も、とにかくアンテナに引っかかった数字はすべて、一冊の手帳に収集しています。時間ができると手帳を開き、貼り込んである表やグラフの数字を片っ端から覚えていきます。数字はある程度覚えなければ役に立ちません。必要になったときだけ手帳を引っ張り出していくら正確な数字を口にしても意味がないのです。
私はいつも社員に「ちゃんと数字で説明しなさい。大人なんだから」と言っています。ものごとを判断するとき、他者を説得するとき、数字を用いることは有効です。スピーチをするときにも、ちょっと数字をいれてやるだけで、格段に話を面白くすることができます。
挫折知らずで来た世代は、過去にチャレンジへ一歩踏み出した先輩たちの経験に耳を傾けることも大切です。それが新たな行動に結びついていくと考えています。
たとえば、いまは原油の需要減で海上の荷動きが停滞していますが、それが必ずしも原油を輸送するタンカーのマーケットの悪さに直結するとは限りません。なぜなら、原油の需要が冷えると、原油の価格が下落するので、安いからいまのうちに買っておこうという動きが出てくるからです。
私の場合は、あらゆる経済指標や関連する数字を手帳に書き留め、かつ記憶するようにしています。記憶していると数字が頭の中で有機的につながって、無関係だと思っていた数値の関連性に気づくなど、現状分析や将来予測の際に独自のデータを組み立てることができます。
当社の社長だった相浦紀一郎が業界団体の日本船主協会の会長を兼務したとき、私はその会長秘書をしていました。相浦は移動中の車の中で、「いま世界中で動いている船は何隻かね」「では、飛行機の数は?」などと次々質問してきました。スピーチするのに必要なデータとしてです。最初は答えられない場面が多かったので、以後、必死に手帳に書き込んでおくようになりました。担当分野だったコンテナだけでなく、世界の海運という目線でものごとを考えるようになりました。
「世界的な不況→原油の需要急減→海上荷動きの減少」というような一面的な理解だけでなく、別の角度からも見ることができるかが大切なのです。大型原油タンカーは世界に500隻ありますが、現在、そのうち40隻が海上備蓄のために利用されています。原油の需要が冷えると、原油の価格が下落するので、安いうちに買って、高くなったときに転売する目的でタンカーに海上備蓄するトレーダーが現れてきているのです。こういう動きを捉えることが大切なのです。
当時の社長、生田正治がナビックスラインとの合併話を提起したとき、私はすぐやるべきだと思いました。企業風土や人材面から見ても、互いに知行のバランスをより良い方向に補い合う形の合併でした。相手側の方に実戦経験豊富な野武士型の人材が多く、合併後の枢要なポジションにその人たちが就きました。同時に、ナビックスラインの企業風土のうち是正すべき面は私が厳しく指摘して、直してもらいました。合併をお互いの弱点を見直す非常にいい契機になったと思います。
必要とされるのはピンチをチャンスに変えられる人材です。具体的には、マイナスの要因が溢れているように見える状況の中から、知恵を絞ってポジティブな要因を見つけ出し、それを具体的な行動に積極的に結び付けられる人材です。ひとことで表現すれば「知行合一」です知に裏付けられたファイティング・スピリットを持っている人間です。
知行合一の「行」のために大切なのは、試練を乗り越えた体験です。当社の場合も、2000年以降に入社した若手は右肩上がりのマーケットに乗っかってきた苦労知らずの世代です。その意味で、今回の苦境は若手社員を鍛えるいいチャンスだととらえています。
かつて日本企業のミドルクラスは、「社長はこういう考えだ」ということを部下に小出しにすることで権威を保っていました。社長との接点があると部下に思わせるだけで、部下はありがたみを感じていたわけです。しかし、こんなミドルは何のバリューも持っていない。一方の社長は雲の上の存在でね、一般社員とはたまにロビーですれ違うだけ。組織形態を変えるのはなかなか難しいですが、私はこういう状況を変えたかったのです。かつて、自分がマネジャー・クラスだった時代に、トップの考え方がなかなか伝わってこないという歯がゆさを感じることが多かったので。
マネジャー・クラスとのミーティングを頻繁に開いている理由について語った言葉
金融危機は確かに実体経済に悪影響を与えてはいますが、パニック心理に陥らずに冷静に見てみれば、世界経済はそれほど悪い状態ではないんです。単純に考えても、世界の人口は毎年増え続けており、アメリカの人口なんて、この10年で2億から3億に増えました。世界全体で見たときに、今後も経済の規模が拡大していくことは間違いのないことです。
船舶の寿命は25年と大変長いのです。世界各国のGDP、新規住宅着工件数、海外投資の増加率など、十数項目ほどの数字は常にチェックしています。
成功可能性50%でGOサインということはありません。正確に数字でいうのは難しいですが、7~8割は大丈夫だろうというあたりですね。最後は経験則で決めるんです。だいたいこのくらいだったらいけるだろうと。
昔は、独占禁止法の適用除外産業ということもあり、業界の中で協調しながらやっていこうという意識が非常に強かったのですが、日本国内のシェアばかり意識していると、海外の企業にマーケットを奪われたり、世界のマーケットでチャンスを逸することが多いのです。ですから、あまり国内で固まらずに、それぞれが独自の考え方でやった方が、結局のところ、お互いのためになるのです。
経営に正解なんてないんです。あれば、どの会社も同じことをやりますよ。ウチはウチが正解だと思うことをやるし、他社は他社が正解だと思うことをやる。そういう多様性があっていいと思うのです。業界で相談しながらものごとを進めていくと、どうしても一番穏当なところに収まってしまう。多少極端な選択が出てくるとしても、A社はやる、B社はやらないといった多様性があった方が、業界全体としてはむしろ強くなると思うのです。
トップがマネジャー・クラスに直接語りかけることが非常に重要だと思っています。私は「キャンドゥー・ミーティング」というものを、いろいろなくくりでやっています。キャンドゥーは「為せば成る」です。営業部門、海務・技術部門、管理部門、ときにはフレッシュマンだけを集めてやるときもあるし、女性の総合職だけでやるときもあります。
現代のように環境変化のスピードが速く、しかも世界を相手に仕事をしなければならない時代には、少なくとも、マネジャー・クラスは、部下に向かって、トップと同じ内容の話ができなくてはなりません。そのために、マネジャー・クラスと直接話す機会を設けているのです。
私はマネジャー・クラスとのミーティングから新しいアイデアが出てくることはあまり期待していません。このミーティングの狙いは、トップとマネジャー・クラスが知識を共有することです。同じアンダースタンディングをベースにして前に進んでいく下地をつくることです。
情熱の源は業界ナンバーワン、いや、業界ダントツナンバーワンになってやろうという気持ちです。私、こう見えても負けん気が強いんですよ。
数字をもとに将来の経済状況を分析すれば必ず当たるのかといえば、そんな保証はありません。常に予想が外れたらどのように対処するか、リスクヘッジを考えながら経営判断をしています。
護送船団方式は駄目なんです。弊社だけでなく、業界全体が駄目になってしまう。いまは、我が社を含む大手3社が三者三様の考え方で経営していますが、これは業界にとって非常にいいことだと思っています。
私が課長時代、アフリカのお客さんから運賃をもらう契約をしても取り漏れとなるリスクが高いので、実質的にはアフリカとの商売は禁止されていました。しかし面白い商売ですから、どこかに解決方法はないかと考えて、商社に相談してみたのです。「あなた方はアフリカにモノを売っているでしょう。どうやって代金を回収しているのですか」と。すると、アフリカのお客に、銀行でLC(荷為替信用状)を開設させて、銀行から代金を取っているというのです。そこで、海運運賃もそれができるかと聞いてみると、理屈の上ではできるはずだという。LCを使ったのは、日本の海運会社で初めてのことでしたし、おそらく世界中の海運会社にも、前例がなかったことだと思います。
一番いけないのは、新しいビジネスアイデアが持ち上がったとき、頭の中だけで考えて、これはリスクがあるからできませんとか、前例がないからできませんという人です。100%安全が保障されている中で仕事をしていこうという人材には魅力を感じません。
弊社の場合、少なくとも1回は海外勤務を経験します。多い人では3回ぐらい。そうやって、実際に海外勤務を積むことによって国際感覚を身につけていくことになりますが、大切なのは、日本人には日本人の良さがあることを十分認識することだと思います。
どこかで妥協案を出さないと、アライアンス(提携)なんて組めないのですが、海外の企業は全員が受け入れられるような妥協案をつくることが苦手なのです。少しでも自分が不利になるようなことを言ってしまえば、相手にやられてしまうと考えているんです。一方、日本人はものごとを調整していくのが得意です。この日本人特有のバランス感覚は、世界で商売していくうえで、非常に有用性が高いんです。
バランスを取ることは大切です。たとえば人材の配置ひとつとっても、管理部門には慎重派を配置し、営業部門には積極派を配置し、なおかつ両者の間で十分議論させて、バランスをとることを心がけています。
自分の中にいる積極派と慎重派に、徹底的に議論させて、そこから出てきた答えを繰り返し周囲に訴えていく。周囲の人を巻き込むには、自分の内部でこうしたプロセスを踏むことが大切だと思います。
周囲の人に自分の意見をぶつける前に、データを集めて、分析して、慎重、積極の両面から検討を加えておくことが大切です。自分の出した答えもパーフェクトではないわけですから、今度はそれを周囲の人に叩いてもらう。
新しいことに挑戦することは大切ですが、一人きりでやろうと意固地になっては駄目です。船の仕事にはいろいろな人間が関わりますから、多くの人と議論を重ね、賛成意見も反対意見も聞き、みんなを巻き込んでいかないと、何事も成功しないのです。
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芦田 昭充(あしだ あきみつ、1943年 - )は、日本の実業家、株式会社商船三井社長。島根県雲南市出身。 島根県立松江高等学校(現在の島根県立松江北高等学校)を経て、1967年京都大学教育学部卒業。同年大阪商船三井船舶(現在の商船三井)入社。2004年より現職。 1967年(昭和42年):大阪商船三井船舶(現・商船三井)株式会社入社 2003年(平成15年):代表取締役副社長就任 2004年(平成16年):代表取締役社長就任 高校、大学と陸上選手であり、高校時代はリレーで全国大会の決勝に残り、大学入学後も関西インカレで走幅跳優勝。100メートルを11秒フラットで走った。 趣味はゴルフ。 日本の実業家 1943年生 存命人物
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